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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#153 『Disco Descent (1-1)』(Danny Baranowsky/Crypt of the NecroDancer/PC)

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Brace Yourself Gamesがおくるローグライクリズムゲーム

Crypt of the NecroDancerより、Danny Baranowsky作曲、『Disco Descent』。

ゾーン1-1で流れます。

カナダのインディーゲームスタジオ・Brace Yourself Gamesのデビュー作にして出世作にあたる本作。風来のシレン不思議のダンジョンシリーズに代表されるローグライクに、音楽に合わせて行動するリズムアクションを掛け合わせることで、新感覚な遊びの可能性を開拓した。マス目状のマップを1ビート1ターンで行動することになり、爆弾を無限に保有できるキャラ、敵に攻撃できない代わりボス戦が省かれるキャラなど、それぞれ異なる特徴を持つプレイヤーキャラクターを選択して自分好みに挑戦できる。コラボも盛んに実施されていて、ダンガンロンパゼルダの伝説などの世界観と楽曲で遊ぶこともできるなど、非常に意欲的な要素がてんこ盛りで、PS4、スイッチ、XboxOneをはじめ多数の機種に移植されている。

本作の音楽を担当するのはDanny Baranowsky氏。アメリカ出身の作曲家で、主にSuper Meat Boyなどのインディーゲームを中心に作曲している。本作ではシステムの中枢に音楽が組み込まれていることから、氏の作曲した楽曲が果たす役割は大きい。ドット絵で描かれたグラフィックに沿ったチップチューンを主調とした、ビートのはっきりしたバリバリなエレクトロニックサウンドが、何度も挑戦したくなるような独特な中毒性を醸している。また、ダンジョン内にいるショップキーパーに近付くとボーカル風の電子音が加わるという特殊な仕様が存在する。サウンドトラックはオリジナルのものとDLCの追加曲を含むものと両方発売されている。

最初に訪れるであろうダンジョンで流れるのがこの曲である。いきなり本作の魅力をすべてつぎ込んだようなノリノリなディスコナンバーである。アンダーグラウンド感漂う地下迷宮にふさわしい、ダークでノスタルジックな響きが印象的で、一定の間隔で進行する規則的なビートが、リズムを刻みながら行動するという直感的なゲーム性を余すことなく表現している。一瞬の判断力が問われる本作において、つい踊りたくなるほど軽快なメロディーラインが奏でられることで、適度な緊張感と焦燥感を生み出すことに成功している。ノリとスリルとインパクトに満ちた一曲である。

ショップキーパーが近くにいるバージョンだと、踊りたくなるうえにきっと一緒に歌いたくもなります。『Disco Descent (1-1 with Shopkeeper)』もあわせてどうぞ。

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