VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#176 『vs カミナラス五郎』(西郷憲一郎/妖怪ウォッチ3 スシ/テンプラ/3DS)

www.youtube.com

レベルファイブがおくるRPG妖怪ウォッチより、

西郷憲一郎作曲、3『vs カミナラス五郎』。カミナラス五郎戦で流れます。

妖怪ウォッチシリーズのうち、ナンバリング3作目にあたる本作。おなじみ主人公の少年・ケータは、父の転勤に伴ってUSAへと引っ越すことになり、現地のメリケン妖怪にまつわる現象を調査する傍ら、同時進行で日本に住む新主人公の少女・イナホが、妖怪探偵社を結成して日常に潜む事件を解決することになる。前作と同様に2バージョン(後発のマイナーチェンジを含めると3バージョン)で発売され、ダブル主人公制の導入により、USAと日本の双方を切り替えながら物語を進めていく。戦闘面ではタクティクスメダルボードと呼ばれる新システムに一新され、3×3のマス目状のボードに味方妖怪のメダルを配置して、縦一直線に並べれば前衛が後衛を守り、横一直線に並べれば攻撃時に追撃が発生するなど、自由に陣形を変えられるようになった。舞台の刷新や戦闘の強化など、意欲的な要素が詰まった仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは西郷憲一郎氏。レベルファイブに所属する作曲家で、妖怪ウォッチシリーズには、バスターズや三国志などのスピンオフ作品や、映画やアニメも含めてすべての作曲に携わっている。本作では妖怪ウォッチサウンド特有の、おもちゃ箱をひっくり返したかのような遊び心あふれる多彩さに加え、USAと日本を行き来する世界観の広がりを踏まえて、さらに幅広いジャンルの楽曲が取り揃えられている。サウンドトラックは一部未収録の楽曲が存在するオリジナル盤のほか、アニメの劇伴用のサントラに未収録分が追加収録されている。

かつてジャズドラマーとして活躍していた経緯を持つカミナラス五郎は、ストーリーの後半で戦うことになるマフィアの一味である。そんな彼との戦闘で流れるこの曲は、彼の肩書きにふさわしいスウィング風のノリノリな一曲である。ジャズ全開の愉快なメロディーラインに、踊るように暴れ回るドラムが合わさって、疾走感たっぷりの軽妙なグルーヴを生み出す。途中、「来たか!」という掛け声とともに魂のドラムソロと呼ばれるスキップ不可能なムービーが挿入され、しばらく三味線も交えた和ロック調のサウンドを披露したのち、また元のジャズに逆戻りする仕掛けが用意されていて、エンターテインメント性にも優れた出来映えとなっている。

ジャズドラマーなマフィアとの戦闘というだけで十分なインパクトですが、そのインパクトにしっかり応えてくれるような一曲ですね。