VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#185 『Destine』(湯村渉/第2次スーパーロボット大戦OG/PS3)

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バンプレストがおくるシミュレーションRPGスパロボより、

湯村渉作曲、第2次OGの『Destine』。味方時のグラキエースの戦闘曲として流れます。

古今東西のロボットたちが一堂に会するスパロボシリーズのうち、版権作のキャラが一切登場しないオリジナルジェネレーション(OGシリーズ)の第5弾にあたる本作。かつて内乱があった南太平洋のアイドネウス島では、地球連邦の大統領直属部隊・コードネーム「GS」が秘密裏に軍事実験を繰り返していたが、そこから脱走し、異世界ラ・ギアスに転移した少年・イングは、魔装機神操者のマサキらと合流して共に陰謀の渦に巻き込まれていく。シリーズ初のPS3およびHD作品で、グラフィックは大幅に進化、それに伴って戦闘アニメが強化されただけでなく、システム面でも条件を満たした際に2対のツインユニット(計4機)で連続攻撃できる新要素・マキシマムブレイクが導入された。シナリオも含めて手堅くまとまった仕上がりである。

本作の音楽を担当するのはおなじみ音楽制作会社サラマンダー・ファクトリーの三名(鶴山尚史氏、花岡拓也氏、松島加代子氏)に加え、南原丈志氏、湯村渉氏、嘉村暁氏、莉能美言氏。スタッフロールでは岡田さとる氏、佐々木一郎氏、高木了慧氏、葉山宏治氏の名前も確認できる。このうち南原氏と莉能氏はスパロボシリーズ初参戦で、サラマンダーファクトリーはα以来、湯村氏はIMPACT以来シリーズに携わっている。本作ではオリジナル曲はもちろん、過去作からのアレンジはDやMX、LOEあたりが多くなっている。サウンドトラックは4枚組で発売されている。

味方時のグラキエースの戦闘シーンで流れるのがこの曲である。グラキエースはスパロボDで初登場し、本作で再登場を果たした、氷のように冷たい人造人間・メリオルエッセの一人で、敵から味方へと転じることになる。出典のDではDを頭文字にした曲名が大半を占めるなか、本作オリジナルのこの曲もその習わしに則って命名されている。ひんやりとしたシンセに熱いギターが重なり合うことで、クールビューティーな彼女の雰囲気をよく捉えている。特に34秒から勢いを強めていくと、サビではこれまでになくアグレッシブでドラマチックな盛り上がりを披露する。「運命づける」という曲名にふさわしい、どこか悲壮感漂う一曲である。

曲名までこだわっているのが何とも言えず良いです。