VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#251 『Two of Braves』(青木佳乃/ロックマンエグゼ6 電脳獣グレイガ/電脳獣ファルザー/GBA)

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カプコンがおくるデータアクションRPGロックマンエグゼより、

青木佳乃作曲、6の『Two of Braves』。ラストダンジョンで流れます。

カプコンのアクションゲーム・ロックマンのうち、戦闘システムにトレーディングカードゲーム要素を加えたエグゼシリーズ、その完結作にあたる本作。前作の物語から1か月、秋葉原を離れて才葉シティに引っ越すことになった主人公の少年・熱斗は、謎の少女・アイリスや電脳獣との出会いをめぐり新たな戦いに巻き込まれていく。発売当時、すでにDSが登場してから一年ほど経過していたが、あえてGBAで発売され、本作をもって近未来と電脳世界を舞台にした特異な世界観と一連の物語が完結することとなる。ロックマンが電脳獣に変身する獣化システムと、他のナビと連携して力を得るクロスチェンジ、二つを組み合わせたクロスビーストによるスピーディーで戦術性あふれるバトルが特徴で、最終作にふさわしい自由度の高さを誇る仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは青木佳乃氏。当時カプコンに所属していた作曲家である。エグゼシリーズのサウンドといえば氏(担当作は2、3、本作)のほかに海田明里氏(初代、4.5、5)と堀山俊彦氏(4、5)が手がけてきたが、本作では青木氏が単独で全曲を作曲している。次世代機がすでに発売されている段階でのGBA音源は、DS音源に引けを取らない円熟した音使いが特徴で、本作でも今まで築き上げてきたエグゼサウンドの集大成として、数々の良曲が揃っている。サウンドトラックについては、前作と抱き合わせで収録した音楽大辞典やシリーズサウンドをリマスターしたサウンドBOXが存在する。

ラストダンジョンであるコピーロイドの電脳で流れるのがこの曲である。エグゼシリーズのラストダンジョンBGMは、こと青木氏の作曲を例に挙げてみると、2の『YOU CAN'T GO BACK』や3の『FINAL TRANSMISSION』など、1ループが短いなかでもメインテーマのアレンジが使われるのが印象的で、この曲も例外ではない。『Theme of ROCKMAN EXE6』の刺激的なメロディーを、サビの一番盛り上がるところに持ってくることで、いかにも正念場らしいシチュエーションを感じさせる。その熱情のこもった大胆で煌びやかな音色は、すべての物語に決着をつけるための最後の戦いへの道のりを非常に鮮やかに彩ってくれる。メインテーマの格好良さとクライマックスの昂揚感が見事に融合した一曲である。

『Theme of ROCKMAN EXE6』、あわせてどうぞ。

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