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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#280 『Fight Club』(Lorne Balfe/Assassin's Creed III/PS3・X360)

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Ubisoftがおくるステルスアクションアドベンチャーアサシンクリードより、

Lorne Balfe作曲、3の『Fight Club』。拳闘の際に流れます。

アサシンクリードシリーズのうち、ナンバリング3作目、通算5作目として登場した本作。中東、イタリア、オスマン帝国に続いて、本作では18世紀中期から後期にかけた独立戦争時代のアメリカを舞台に、ネイティブアメリカンの血を引く主人公・コナーは、自由と独立のためにアサシンとして生きることになる。広大なフロンティアに生息する野生動物を狩るハンティングや、カリブ海を駆け巡る海洋ミッション、さらには拳闘クラブや探検クラブといった寄り道要素が非常に充実している。新エンジンを導入したことにより操作性やグラフィック等が強化された反面、バグが多いことでも知られている。シリーズの新章開幕にふさわしいボリュームを誇る仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのはLorne Balfe氏。長らくシリーズの作曲を務めてきたJesper Kyd氏に代わり、スコットランド出身の作曲家であるBalfe氏が全曲を単独で作曲している。氏は4作目のリベレーションでもKyd氏と共同で作曲経験があり、映画やドラマの劇伴で培ってきたノウハウを活かしたゲーム音楽づくりは、いずれもシリーズの壮大さに見合った出来映えとなっている。サウンドトラックは本編の楽曲を収録したものと、DLCの追加曲を収録したものが存在する。

拳闘シーンで流れるのがこの曲である。アサシンであるならば暗器を用いた戦闘はもちろんのこと、ときには拳を使った戦法も必要になるが、そうした状況をくどいほどの熱気を漂わすフィドルで鮮やかに彩る。ギターなども伴いながら小刻みに奏でられるフォルクローレ調の旋律が、自らは一瞬の隙も生まず、されど相手の隙は一瞬たりとも見逃さないような、熟練の業を持つ者にのみ備わった凄みを感じさせる。畳みかけるように進行する曲調で極上の緊張感を生む一曲である。

説明が難しいですが、強そうな曲ですよね。聴いていると闘志がみなぎって、自分が強くなった気がするような。