増田順一作曲、赤・緑の『ラストバトル（VSライバル）』。
チャンピオン戦で流れます。
ポケモンシリーズの第1作としてゲームボーイ末期に登場した本作。ポケットモンスター、縮めてポケモンと呼ばれる不思議な生き物を捕まえて育てて戦わせて、図鑑の完成と最強のトレーナーを目指すことになる。ゲット、バトル、図鑑埋めといった肝となるゲーム性は、現行シリーズでもほとんど変わることなく受け継がれている。それぞれのバージョンで出現するポケモンが異なるため、通信交換や対戦などの要素も充実していて、シリーズならではの面白さが詰め込まれた画期的な傑作に仕上がっている。後年にはマイナーチェンジの青やピカチュウ版、GBA向けにリメイクしたFRLG、ピカチュウ版をスイッチ向けにリメイクしたLet's Go!など、様々な関連作品が発売されている。
本作の音楽を担当するのは増田順一氏。ゲームフリーク創立メンバーの一人で、音楽以外にもプログラミングを担当している。氏は本作において全曲を単独で作曲していて、以降の作品でも外伝を除き軒並み参加している。今でこそポケモンと言えば一之瀬剛氏をはじめ複数の作曲家が共同で曲づくりをしているが、初代では純粋に増田氏のみの作曲であり、音数の制約が激しいなかでも、シリーズサウンドの基礎を築き上げている。リメイクのFRLGでは一之瀬氏と青木森一氏が編曲している。サウンドトラックはGB音源の楽曲にポケモン図鑑の鳴き声や解説音声のおまけがついたもの、原曲の一部とFRLGのアレンジを収録したもの、両方を収録した完全版などが存在する。
チャンピオン戦で流れるのがこの曲である。道中で何度も立ちはだかってきたが、ついに主人公より一足先に最強のトレーナー、すなわちチャンピオンの座に就任することになるライバルとのラストバトルを、イントロからただならぬ雰囲気を漂わせた、いかにもクライマックス然としたシリアスな曲調で彩る。幾度となく衝突して切磋琢磨してきた者同士の意地と意地のぶつかり合いを真っ向から表現した、暴力的とすら感じられる音使いは、音数のすくなさなどお構いなしに昂揚感たっぷりに展開していく。後にFRLGにて一之瀬氏の手によりアレンジされた際には、原曲の暴力性に拍車をかけるかのごとく、あらゆる楽器を織り交ぜて重厚感を演出している。
ゲームの他にもアニメ版とかオリジン版とか、たくさんあるので紹介し切れませんが、とりあえず話に上がったFRLGのアレンジをどうぞ。
