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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#303 『関ヶ原の戦い 東陽』(前馬宏充/戦国BASARA4/PS3・PS4)

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カプコンがおくるスタイリッシュ英雄アクション・戦国BASARAより、

前馬宏充作曲、4の『関ヶ原の戦い 東陽』。同名のステージで流れます。

大胆で奇抜なアレンジを加えられた戦国時代の武将たちがぶつかり合う戦国BASARAシリーズのうち、4作目にあたる本作。戦国創世をテーマに、それまで描かれてきた戦国末期から遡って室町末期~戦国黎明期に時代を移している。柴田勝家ら新規参戦キャラを加えて、それまでのシリーズで最多となる40の武将がプレイアブルとなり、プレイヤーと一緒に戦ってくれる戦友システムの導入、戦友と協力して水墨画演出とともに必殺技を繰り出す戯画バサラ技の追加などの新要素が備わっている。後に追加要素を加えたシリーズ10周年記念作の皇が発売されていて、さらに武将数が増えたほか、アクションやシステムまわりが改善されている。

本作の音楽を担当するのは伊師正好氏、青木征洋氏、大久保賢氏、加藤あずさ氏、近藤嶺氏、桜井紗良氏、幡手康隆氏、前馬宏充氏。大まかに分類して、青木氏(現在はフリー)や加藤氏、前馬氏などのカプコン所属の作曲家と、それ以外の音楽制作会社T's MUSIC所属の作曲家が一堂に会している。なかでも前馬氏は本作発売当時はカプコンに入社したばかりの新人で、加藤氏共々、本シリーズには初参加である。サウンドトラックはオリジナル盤と皇の追加曲を収録したものとがそれぞれ発売されている。

関ヶ原の戦いは天下分け目の戦いとして知られる日本史上最も重要な合戦の一つである。その大舞台で流れるこの曲は、もう片方のステージ『関ヶ原の戦い 西陰』に見られるような閉鎖的な悲愴感とは異なる、開放的な勇壮感を漂わせた一曲である。尺八と思しき和楽器を取り入れた和風オーケストラ調の豪快な音使いは、深く沈み込むように奏でられる雅趣に富むチェロの伴奏とあわせて、覚悟と希望とあえかな切なさを想起させ、この一戦に賭ける武将たちの情熱と歴史の命運が生き生きと描き出されている。

西陰の絶望的な重厚感と良い対比関係になっている印象です。同じく前馬さん作曲の『関ヶ原の戦い 西陰』、あわせてどうぞ。

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