VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#314 『ANiMA』(xi/Deemo/iOS・And)

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Rayarkがおくるピアノロール型音楽リズムアクション・Deemoより、

xi作曲、『ANiMA』。Ver2.0以降の収録曲の一つ。

CytusやVOEZといった数々の音ゲーを生み出した台湾の開発会社・Rayarkの代表作にあたる本作。画面奥から流れてくるノーツをタップすることで、まるでピアノを弾いているような感覚が味わえるゲーム性が特徴である。儚げな世界観に沿ったストーリーも用意されていて、ゲームの進行状況にあわせて言葉少なに語られる断片的な物語と一枚絵がところどころに挿入される。楽曲数も豊富で、有料パックを購入する以外にも、ストーリーの進行に伴って解禁されていく。シンプルだが味わい深い仕上がりとなっている。後にVitaやスイッチに移植されたほか、3Dリメイク版のRebornがPS4、スイッチ、Steamに登場した。

本作では、Rayarkの所在地である台湾をはじめ、主にアジア圏の気鋭のアーティストが音楽を担当している。台湾出身のV.K氏、日本の音楽制作集団・Mili、その他多数のサウンドクリエイターが参加し、BMS界隈で活躍しているxi氏もその一人である。作品の性質上、ピアノを主軸に据えた楽曲が揃っていて、特にxi氏はテンポが非常に速い、音ゲー的には難易度の高い曲を書くことで多い。サウンドトラックはVOL.3まで発売されているほか、Rebornのサントラも存在する。

Ver2.0以降に新録された曲のうちの一つがこの曲である。曰く「ピアノ中心のハードルネッサンス」で、イントロこそ緩やかに始動するが、徐々にピアノとコーラスが荒ぶり出すと、以降は畳みかけるような勢いで進行する。全体的にメランコリックな響きを帯びつつ、非常に躍動感あふれるメリハリに満ちていて、終始濃厚かつクラシカルな曲調を堪能できる。譜面に関しては、EasyでさえLv5(レベルは全12段階で、基本的にEasy譜面は主にLv1~4を占める)というそこそこ歯応えのある難易度に設定されていて、NormalやHardになると高速のノーツが密度たっぷりに押し寄せてくる。聴き応えも遊び応えも満点な激しくも美しい一曲である。

個人的にはこの2分サイズがおさまりがよくて好きですが、延長版もあります。あわせてどうぞ。

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