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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#399 『Re-Sidence』(ZARIGANI/REVOLVER360 RE:ACTOR/PC)

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クロスイーグレットがおくる回転式シューティング・REVOLVER360より、

ZARIGANI作曲、リアクターの『Re-Sidence』。2面道中で流れます。

同人サークル・クロスイーグレットの処女作にして代表作であるREVOLVER360の続編にあたる本作。一見避けられそうにもない弾幕を、回転式拳銃のリボルバーのように空間そのものを回すことで、回避あるいは一掃する新感覚のSTGである。本作は前作と比べてボリュームが増え、全4面構成を順番通りに攻略するオーソドックスなRE:ACTORモード、一つのステージを遊び尽くすSECTOR:DIVEモード、50問のお題をクリアしていくCHALLENGEモードの三種類から選べるようになった。どこまでも蒼く澄み切った世界のなか、とことんまで破壊の快感に酔いしれることのできる仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのはZARIGANI氏。ZARIGANI.REC名義でも知られる作曲家である。氏はクロスイーグレットが制作した作品に軒並み携わっていて、前作から引き続き本作でも単独で作曲をおこなっている。蒼で統一された美しくも退廃的なグラフィックにあわせて、本作の楽曲はそうしたイメージに沿った洗練されたテクノサウンドが取り揃えられている。ちなみに本作はゲームを購入するともれなくサウンドトラックがついてくるという大盤振る舞いな仕様である。

2面道中で流れるのがこの曲である。1面は何を表しているか定かではない抽象的なオブジェが林立する浮世離れしたステージだが、2面はより現実に近い、道路や高層ビルやネオンサインが煌めく都会が舞台で、分岐次第では四方八方すべてが真っ赤に染まったトンネルをくぐるシーンもある。そうしたメリハリの利いた構成を象徴するかのごとく、冒頭の第一音から張り詰めた雰囲気を漂わせている。電子音楽調のセンスあふれるリズムが特徴的で、1分10秒過ぎからようやく勢いが整って本格始動すると、都会を縦横無尽に駆け巡る疾走感を強く印象付ける。ときどき響く分厚い重低音がうまく焦燥感を煽っていて、3分過ぎで再度力強く盛り上がると、そのアップテンポでアグレッシブなビートが、容赦なく襲いかかる弾幕地獄を掻い潜る緊張感を生み出す。非常に鮮やかなグルーヴに満ちた一曲である。

Residenceは住居、ですが、良い意味で住居感が皆無ですね。