サイバーコネクトツーがおくるアクションRPG・ソラトロボより、
福田考代作曲、『Depend on me』。2部のラスボス戦で流れます。
テイルコンチェルトに続き、イヌヒトとネコヒトと呼ばれる獣人たちがロボットを操って冒険するリトルテイルブロンクスシリーズの第2作目にあたる本作。浮遊大陸・シェパルド共和国を舞台に、イヌヒトのかけだしハンター・レッドは、貨物船への潜入任務で救出したネコヒトの少女・エルとの出会いをきっかけに、世界を揺るがす大事件に巻き込まれていくことになる。２画面アニメーション×アクション×RPGをコンセプトに、キュートなグラフィックと緻密に練り込まれたSFの世界観が特徴である。シナリオは2部構成の全20話から成り、王道を極めたストーリー、癖のないアクション、緩めな難易度など、手軽にプレイできるバランスに調整されている。さくっと楽しめる魅力的な世界観が印象的な仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは福田考代氏。主題歌や挿入歌に関しては三谷朋世氏と福田氏から成るサウンドユニット・LieNが担っている。いずれもサイバーコネクトツーに所属するメンバーたちである。本作では超未来・空想科学ファンタジーの作風に違わぬメルヘンチックなサウンドが揃っていて、ストリングスやフルートをふんだんに用いた幻想的な曲調のものが多い。ゲーム自体のボリュームはすくなめだが、曲数は全80曲とかなり充実している。サウンドトラックは実機音源よりも大幅に音質が向上したものが収録されている。
ラスボス戦で流れるのがこの曲である。主人公にとって因縁の相手とも言える敵との最終決戦を、壮大なオーケストラ仕立てで迫力満点に彩ってくれる。ゆったりと哀愁漂うイントロで始まり、8～9秒で非常に耳心地の良いハープの音階を奏でると、それを境に一気に勇猛な曲調へと様変わりする。バイオリンやフルート、トランペットなどの管弦楽器を総動員して情熱的な旋律は、勇ましさのなかに美しさを、美しさのなかに切なさを内包している。まさに世界の命運が懸かる決戦を彩るにふさわしい、優雅で勇壮な一曲である。
高音質のサントラ収録版もよろしければどうぞ。聴き比べてみてください。
