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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#418 『Devil May Sly』(福田淳/GOD HAND/PS2)

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クローバースタジオがおくるゴッドアクション・GOD HANDより、

福田淳作曲、『Devil May Sly』。アゼル戦で流れます。

ビューティフルジョーや大神で知られるクローバースタジオ製の新作アクションとして登場した本作。神にも等しい力を宿すというゴッドハンドの伝説が残る世界を舞台に、主人公のジーンは、ならず者に襲われていた娘・オリヴィアを助けたことをきっかけに、オリヴィアの一族が守護してきたゴッドハンドを託され、数多の悪魔との戦いに身を投じることになる。肉弾戦を軸としたステージクリア型の3Dアクションで、蓋を開けるとパロディだらけでギャグ満載、ブラックジョークの温床という強烈な世界観が特徴である。アクションは慣れれば爽快感抜群だが、油断したら即死という極端な難易度をに調整されている。独特な痛快さのある仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは高田雅史氏と福田淳氏。いずれも当時グラスホッパーマニファクチュアに所属していた作曲家である。GHMがクローバースタジオの作品に携わるのは本作が最初で最後だが、クローバースタジオの後身にあたるプラチナゲームズでは引き続き時折GHMがサウンドを担うことになる。本作ではアクの強いゲーム性にあわせてシャープでエレクトリックなサウンドが揃っていて、特に昭和臭さ漂う主題歌『俺の右手はゴッドハンド』は一際力強いインパクトを誇る。楽曲の多くは高田氏の作曲だが、一部の作曲およびボーカルは福田氏が務めている。サウンドトラックは初回限定盤に一部の楽曲を収録したミニアルバムが同梱されているが、主題歌をはじめ未収録のものが多い。

アゼル、通称デビルハンドと呼ばれるこの男は、主人公とは対となる左手にゴッドハンドを宿した悪魔四天王の一人である。その彼との1回目の戦闘で流れるこの曲は、がなり立てるような轟音のエレキギターが心地良いハードなロックナンバーである。2回目の戦闘では同じフレーズを基にした『Duel Storm』が用いられるが、ダウナー系の妖しげな雰囲気のそちらと比べて、この曲はストレートに疾走感あふれるクールでスタイリッシュな曲調に仕上がっている。曲名に関しても遊び心を怠らず、悪魔さえもが泣き出しそうな印象を与える。激しく力強く格好良い一曲である。

『Duel Storm』、あわせてどうぞ。『俺の右手はゴッドハンド』もせっかくの機会ですので聴いていきましょう。

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