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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#431 『足跡を辿って』(柳川和樹/トトリのアトリエ ~アーランドの錬金術士2~/PS3)

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ガストがおくる錬金術RPG・アトリエより、

柳川和樹作曲、トトリの『足跡を辿って』。ワールドマップで流れます。

材料を集め、錬金術を使って調合し、アイテムを作成していくアトリエシリーズのうち、通算12作目、アーランド編の第2弾にあたる本作。前作(ロロナ)から5年後を舞台に、冒険者であったが行方不明になってしまった母を探すべく、錬金術士の少女・トトゥーリア、通称トトリは自らも冒険者となって旅立つことになる。前作まではデフォルメ調だったキャラクターの3Dモデルの頭身が上がり、持ち前のキュートなキャラクターデザインが忠実に再現されるようになった。また、冒険者免許という新システムが導入されたことで、プレイスタイルに応じて柔軟に未開拓地域を探索できるようになり、全体的な自由度が向上した。5年間のタイムリミットがあるマルチエンディング制で、行動次第で異なる結末を楽しめる仕上がりとなっている。後にVita向けに追加要素を加えたPlus版と、PS4、スイッチ、Steam向けに移植したDX版がそれぞれ登場した。

本作の音楽を担当するのは中河健氏と柳川和樹氏の二名。いずれも当時ガストに所属していた作曲家たちである。このうち中河氏は前作では単独で作曲を務めていたが、本作は柳川氏との共作となり、柳川氏はアトリエシリーズ初参戦を果たしている。後に登場するアーランド編3作目のメルルでも柳川氏は引き続き担当しているほか、4作目のルルアでも中河氏・柳川氏ともに再び作曲に携わることになる。本作ではラテン音楽フォルクローレを思わせる民族音楽が多数収録されていて、一つの曲を様々な場面でアレンジすることで統一感を生み出している。サウンドトラックは主題歌などのボーカル曲も含め収録されている。

ワールドマップで流れるのがこの曲である。『足跡を辿って ~ 森』『~ 平原』『~ 遺跡』『~ 荒地』『~ 洞窟』『~ 島』と、計6種の異なるアレンジが用意されていて、ワールドマップから採取地へ移動する際、同じ曲をベースにすることでシームレスに音楽が切り替わる仕様となっている。幽玄な笛の旋律に、渋味あふれるアコースティックギター、しなやかで淑やかなストリングスが美しく絡み合うことで、旅というイメージにふさわしい使命感と寂寥感を漂わせる。『森』ではミステリアスな、『平原』ではノスタルジックな、『遺跡』ではファンタジックな、『荒地』ではエスニックな、『洞窟』ではシリアスな、『島』ではトロピカルなアレンジがそれぞれ加えられている。遥かな旅路を表現力豊かに彩る一曲である。

原曲が一番好みですが、『遺跡』の重厚感もいいですね。ちなみに『平原』『遺跡』『荒地』は中河さんのアレンジ、それ以外は柳川さんのセルフアレンジです。繋ぎ方が秀逸な7種類のメドレーもあわせてどうぞ。順番は 原曲→(1分20秒)森→(2分40秒)平原→(4分00秒)荒地→(5分20秒)洞窟→(7分00秒)島→(8分00秒)遺跡 です。

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