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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#452 『One More Red Nightmare』(大山曜/神獄塔 メアリスケルター2/PS4)

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コンパイルハートがおくる謎解き×パニック×アクティブ3DダンジョンRPG

メアリスケルターより、大山曜作曲、2の『One More Red Nightmare』。

ナイトメア戦で流れます。

血と狂気をコンセプトに、難攻不落の人間収容所・ジェイルからの脱獄を目指す少年少女たちの物語を描くメアリスケルターシリーズ。第2作目として登場した本作は、前作から続投しているキャラのほか、新主人公のつうとヒロインの人魚姫が新たに加わり、さらに残虐さやシリアスさに磨きがかかったダークなシナリオが特徴である。探索面でも戦闘面でも前作から大幅に調整が入り、歯応えのあるシビアなゲームバランスとなっている。前作のリメイクも同梱されていて、お楽しみ要素として甘々な恋愛アドベンチャー・恋獄塔めありーすけるたーなる番外編も予約特典でついてくるなど、ボリュームたっぷりな仕上がりである。

本作の音楽を担当するのは礒江俊道氏、大山曜氏、荻原和音氏、加藤敏樹氏、川越好博氏、神保伸太郎氏の六名。音楽制作会社ZIZZ STUDIOの作曲家たちで、シリーズ初参戦の加藤氏を除き、いずれも前作に携わっていたメンバーである。前作と比較してより退廃的に、苛烈なほどに刺激的になった本作では、戦闘曲の数が増え、通常戦闘曲だけでも五種類用意されている充実ぶりである。メルヘンとダークファンタジーが融合した摩訶不思議な世界観にふさわしい、豊かなオーケストラサウンドが揃っている。サウンドトラックは限定版の特典として同梱されている。

ナイトメア戦で流れるのがこの曲である。ナイトメアはダンジョンに徘徊する無敵の看守で、何度でも蘇って執拗にこちらを追い回してくる。こちらが全滅するまで追跡をやめない強敵との死闘を彩るにあたって、エレキギターとバイオリンを派手に掻き鳴らすことで、その恐ろしさを痛いほど鮮烈に印象付ける。38秒で一旦勢いが落ち着いて、シンセが目立つようになると、バイオリンが緩やかに不穏な音色を響かせ、相変わらず胸騒ぎを催すような不気味な空気感を漂わせる。1分過ぎで徐々に勢いを取り戻していき、1分16秒にはイントロで聴き覚えのあるフレーズを奏でるも、ループ部分に到達するのはもうすこし先、1分半以降の縦横無尽な弦捌きを披露してからとなる。一切の予断を許さぬエキセントリックなメリハリに満ちた一曲である。

音に恐怖が滲み込んでいるような感じがしますね。特に1分半以降の荒ぶる演奏が凄まじいです。