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#478 『村雨城BGM』(近藤浩治/謎の村雨城/FCD)

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任天堂とヒューマンがおくるアクション・謎の村雨城より、

近藤浩治作曲、『村雨城BGM』。村雨城で流れます。

ゼルダの伝説に続き、ファミコンディスクシステム用ソフトの第2弾として登場した本作。江戸時代を舞台に、村雨城に巣食う謎の生命体・ムラサメを打倒すべく、幕府の密命を受けた主人公の鷹丸が立ち向かうことになる。全9面からなる見下ろし視点のステージクリア型アクションで、タヌキや玉手箱から入手できる術を使いこなしつつ戦闘を進めていく。全方位から押し寄せる敵の激しい攻撃に対し、冷静に対処する判断力と瞬発力が試されるような歯応えのある難易度となっていて、シリーズ化こそされていないが、手堅い完成度を誇る一作である。

本作の音楽を担当するのは近藤浩治氏。任天堂所属の作曲家で、当時は入社してまだ二年ほどの駆け出しの新人だった。本作はいわゆる流行りの剣と魔法の西洋ファンタジーとは異なり、時代劇風の和の世界観を徹底しているため、それにあわせて本作の楽曲も悲喜交々のドラマチックなサウンドが揃っている。サウンドトラックは本作単体では発売されていないが、ファミコン20周年の記念アルバムにて複数の作品と一緒に収録されている。

本作ではいずれのステージも基本的に道中(城下町)と城内の二つのパートを攻略していくことになるが、ラストステージにあたる村雨城だけは例外で、単一のステージとなっている。そこで流れるこの曲は、見渡す限り骸骨だらけの不気味な外観にふさわしく、禍々しさたっぷりの仕上がりとなっている。初めは低音を中心とした重苦しげな曲調だが、途中から主旋律が高音へと移行していくと、伴奏までもがそれに追随して波乱万丈な盛り上がりを見せる。いかにもクライマックスらしい派手な音使いが印象的な一曲である。

スマブラforで土屋昇平さんによる本作のアレンジメドレーがありますね。いろいろ混ざっていますが、この曲もばっちり組み込まれています。『謎の村雨城 メドレー』、あわせてどうぞ。

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