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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#500 『木洩れ日の中で』(すぎやまこういち/ドラゴンクエストVI 幻の大地/SFC)

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エニックスがおくるRPGドラゴンクエストより、

すぎやまこういち作曲、6の『木洩れ日の中で』。町や村で流れます。

ドラゴンクエストシリーズのナンバリング6作目にして、前作・前々作から続く天空シリーズの完結編にあたる本作。発見や自分探しの旅をテーマに、上下二つの世界を行き来しながら冒険を進めていくことになる。開発元がチュンソフトからハートビートに代わったことを受け、システムまわりにすくなからぬ変化があり、復活および刷新された転職システムをはじめ、意欲的な要素が多く詰め込まれている。後にDSやスマホ向けにリメイクされた。

本作の音楽を担当するのはすぎやまこういち氏。おなじみドラクエシリーズサウンドを初代から手がける作曲家である。本作はスーファミの円熟期に発売されたことから、音源の研究がかなり進んでいて、本作のために専用のサウンドチームを結成、独自のサウンドドライバを制作したという逸話がある。それらが功を奏して、本作ではスーファミ屈指のクオリティを誇る高音質なオーケストラサウンドが実現した。また、本作の大きな特徴として、特定のフレーズから成るモチーフが様々な楽曲に組み込まれている点が挙げられ、全体的に統一感のある仕上がりとなっている。サウンドトラックは例によってオーケストラアレンジの交響組曲版が存在するほか、オリジナル音源がシリーズのゲーム音源大全集に収録されている。

始まりの村・ライフコッドなど、作中の多くの町や村で流れるのがこの曲である。燦々と降り注ぐ陽光のごとく、明るく晴れやかに奏でられる笛の旋律が印象的で、機械的な響きを帯びた軽快な電気ピアノや優雅なストリングスによる伴奏が、爽やかな雰囲気に磨きをかけている。後半は転調して伸び伸びと開放感のある音使いが目立ち、活き活きとした町の姿がありありと想像できるような躍動感に満ちている。終始和やかなムードのままループに突入していき、その使用場面の多さと相まって、本作を代表する一曲である。

カジノの『ハッピーハミング』など、この曲を基にした楽曲はいくつかあって、曲ごとに雰囲気は異なりますが、どれも原曲の軽やかな気分を受け継いだ良アレンジです。『ハッピーハミング』、あわせてどうぞ。

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