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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#519 『Dawn of Mana -opening theme』(坂本龍一/聖剣伝説4/PS2)

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スクエニがおくるアクションアドベンチャー聖剣伝説より、

坂本龍一作曲、4の『Dawn of Mana -opening theme』。タイトル画面で流れます。

聖剣伝説シリーズのうち、3以来11年ぶりのナンバリング新作として登場した本作。原点回帰をテーマに、聖剣とマナの樹の誕生の秘密に迫ることになる。3Dで表現されたグラフィックと緻密な物理計算エンジンによるリアル志向の挙動が特徴で、従来のアクションRPGからアクションアドベンチャーにジャンルを変更したことで、チャプターごとに用意されたステージをクリアしていく形式となった。ステージをまたぐと能力値や所持品などがリセットされるため、全体的に成長要素が薄いほか、カメラワーク等により慣れるまで3D酔いが厳しいなど、意欲的であるがゆえにちぐはぐな部分もすくなくない。

本作の音楽を担当するのは主に伊藤賢治氏、関戸剛氏、祖堅正慶氏の三名。編曲のみの参加で仲野順也氏と野田博郷氏も参加している。いずれもスクエニにゆかりのある作曲家ばかりである。さらにゲストコンポーザーとして、メインテーマの作曲を故・坂本龍一氏が担っている。本作では過去作からのアレンジ曲を交えつつ、新時代の聖剣伝説を彩る実り豊かなファンタジーサウンドが揃っていて、全体を通して上質で味わい深い音楽が楽しめる。サウンドトラックは計4枚組で収録されている。

くだんのメインテーマであるこの曲は、坂本氏お得意のイージーリスニング調のピアノインストゥルメンタルである。真っ暗な画面に赤い鳥が羽ばたいた後、一気にスクリーンいっぱいに大樹が広がるタイトル画面でこの曲が流れるが、そうした色彩豊かで風光明媚な様子を、ピアノのしっとりととろけるような柔らかい音色が優しく描き出す。しばらくはピアノ独奏が続くが、1分半あたりでハープが加わり、さらに2分半あたりでクラリネットオーボエと思しき音色が加わるなど、終始安寧に満ちた曲調を保ちつつ、その静謐さのなかにたしかな盛り上がりを見せてくれる。

エピローグではサントラ未収録の『Dawn of Mana -ending theme』が流れまして、基本的にメロディーラインは共通していますが、吹奏楽器が早い段階から入ってきたり、細部が異なっていたりします。あわせてどうぞ。

www.youtube.com※追記 いただいたコメントに基づき、フルート→クラリネットオーボエに変えました。