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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#625 『烏森学園校舎前』(谷口輝雄・安井洋介/結界師 烏森妖奇談/NDS)

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田辺イエロウ著の少年漫画「結界師」を原作とする、

エイティングがおくるタッチペン結界アクション・烏森妖奇談より、

谷口輝雄・安井洋介作曲、『烏森学園校舎前』(仮称)。同名のステージで流れます。

妖退治の一族に生まれた主人公の墨村良守や幼馴染の雪村時音をはじめ、結界師たちによる暗躍を描く田辺イエロウ氏の漫画およびアニメ「結界師」の初のゲーム化作品にあたる本作。タッチペンを駆使した直感的な操作で結界術を発動し、敵を結界に封じ込めるという基本的な使い方はもちろん、攻撃を防いだり足場をつくったりして幅広い場面で扱うことになる。ストーリーモードは昼パートと夜パートに分かれていて、前者では学友との交流を深めつつ妖の情報収集をし、後者で集めた情報をもとに戦いに挑むことになる。ジャンルとしては横スクロールアクションに相当し、ストーリー本編は短いながらも、劇中のエピソードを再現したミニゲーム三種が収録されているなど、原作の雰囲気を重視したつくりとなっている。

本作の音楽を担当するのは谷口輝雄氏と安井洋介氏。ともに当時スーパースィープに所属していた(安井氏)か今も所属している(谷口氏)作曲家である。エイティング開発の作品ではナルトの激闘忍者大戦シリーズやガッシュの友情タッグバトルシリーズ(こちらは谷口氏は関わっていない)など、漫画原作のキャラクターゲームに携わることが多く、それらの経験を活かし、本作でも原作の作風に限りなく寄り添った和風ファンタジー系の楽曲が揃っている。また、本作の一部の楽曲は、続編の黒芒楼の影および黒芒楼襲来にもそのまま再利用されている。サウンドトラックは現在に至るまで発売されていないため、曲名は便宜上の仮称とする。

森学園といえば良守や時音らが通う中高一貫の私立学校であり、本作においても冒険の舞台となるが、その校舎前のステージで流れるのがこの曲である。烏森学園関連の楽曲は、校舎前・校舎内・校舎裏と三種類用意されているが、そのなかでも校舎前のこの曲は一際明るい躍動感を漂わせている。エレキギターの勇ましい伴奏に、和笛の閑雅な音色が重なり合って紡ぎ出すキャッチーなメロディーラインは、ときに哀愁を帯びつつ、己が使命を全うすべく妖との戦いに身を投じる決意をも滲ませていて、終始エネルギッシュな勢いを保ち続ける。アクションの爽快感と和の世界観を見事に融合させた、実に結界師らしい一曲である。

確定ではないのですが、雰囲気的に安井さんの作曲でしょうか。格好良いですね。