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#626 『COMBAT 4』(岩垂徳行/グランディア エクストリーム/PS2)

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ゲームアーツがおくるRPGグランディアより、

岩垂徳行作曲、エクストリームの『COMBAT 4』。イベントボス戦で流れます。

グランディアシリーズのうち、スピンオフにして初のPS2作品として登場した本作。精霊暴走と呼ばれる災害が頻発する世界を舞台に、地脈を操る術を使う地導師見習いの少年・エヴァンは、古代遺跡の調査や異民族との交流を通じて暴走の真相を解き明かしていく。戦う楽しみに重点を置いた高度な戦闘システムが特徴で、従来通りのIPゲージによる敵味方の行動順の制御はもちろん、必殺技や合体技、マナエッグの合成といった新要素も加わり、敵の動きを先読みして徹底的に戦略を立てていくスリリングな駆け引きが堪能できる。シナリオはやや薄味で、ダンジョンは一部自動生成されているなど、今までのシリーズとは一線を画する意欲的な試みが多く見受けられる仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは岩垂徳行氏。おなじみグランディアシリーズのサウンドを初代から担当し続けている作曲家である。本作は特にシリーズのなかでも戦闘に特化した仕上がりとなっていることから、ナンバリングタイトルと比較すると総曲数はすくなめだが、戦闘曲は潤沢に取り揃えられている。王道ど真ん中を駆け抜けるクールなファンタジーサウンドはそのままに、情熱的な楽曲の数々が、完成度の高い戦闘システムを極限まで盛り上げてくれる。サウンドトラックは一部未収録のものがある代わりに、ボーナストラックとしてエンディングをボーカルアレンジしたものが含まれている。

ゼノス・リーやバトル・クロイツなど、中盤以降に対峙することになるいくつかのボスとの戦いで流れるのがこの曲である。五つある戦闘曲のうちの四つめということで名付けられた無骨な曲名とは裏腹に、強烈なほどに豪快で迫力満点なシンフォニックロックサウンドに仕上がっている。管弦楽器の豊かなアンサンブルに、ピアノやエレキギターの疾走感たっぷりな音色が加わり、そこにさらに要所要所でオーケストラヒットを鳴らすことにより、片時も中弛みすることのない怒涛の展開を見せつけてくれる。非常によく練り込まれたタクティカルな戦闘システムにふさわしい卓抜した爽快感を誇る一曲である。

グランディアXといえばこの曲ですが、中ボス戦の『COMBAT 3』も捨てがたいです。ド派手なギターとドラムの組み合わせがいい意味ですごく騒々しくて、そちらも負けず劣らず聴き応え抜群です。あわせてどうぞ。

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