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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#721 『WOLF FANG -"狼牙"』(竹本晃・吉田博昭/ウルフファング 空牙2001/AC)

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データイーストがおくるアクションシューティング・ウルフファングより、

竹本晃・吉田博昭作曲、『WOLF FANG -"狼牙"』。MISSION 1および5-Aで流れます。

縦スクロールシューティング・空牙の続編として、今度は横スクロール型のアクションシューティングに転換して登場した本作。前作から2年、壊滅したはずの謎の軍事組織・ラグナロックの復活を阻止すべく、人型戦闘兵器・装甲機兵を駆って戦うことになる。開始時にボディ、アーム、レッグをそれぞれ4種類の部品から選択し、4の3乗で合計64通りの組み合わせで装甲機兵をカスタマイズできる点が特徴で、操作に関してはショットボタン押しっぱなしで攻撃方向が自機の向きに固定されたり、ジャンプとダッシュの入力や軌道にやや癖があったりする。全5面構成、3面以降は難易度に応じて分岐するため、総ステージ数は12個あり、選択次第でミッション内容もエンディングも変化するなど、細部まで非常によくつくり込まれた仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは竹本晃氏と吉田博昭氏。ともに当時データイーストに所属していた作曲家で、竹本氏はRAIKA、吉田氏はMAROという名義でも知られる。また、PSおよびセガサターンの移植版では常盤太郎氏が、アレンジや新曲などサウンド全般を手がけている。本作では派手で格好良いロボットゲームらしく、熱いエレクトロニック・フュージョンサウンドが勢揃いしている。サウンドトラックは同時期のタンブルポップと抱き合わせで収録されているほか、デコのレトロミュージックコレクションにて空牙三部作などと一緒に完全収録されている。

開始早々の1面、そして最終面のなかでも最高難度を誇る5-A(全ステージ通しでプレイするスペシャルモードでは同じく最終面であるミッション12)のステージで流れるのがこの曲である。曲名や流れる場面からして、本作のメインテーマであることは一目瞭然だが、この曲はそうした期待に見事に応えたクールなエレクトロニックナンバーである。イントロからキンキン鳴り響くメタリックな旋律は、聴けば聴くほど虜になるような凄まじい疾走感を誇り、さらに45秒過ぎたあたりで即興風のメロディーが目まぐるしく紡がれることで、変幻自在な魅力を醸している。本作の最初と最後を飾るにふさわしいドラマチックな緩急に満ちた一曲である。

熱いというか暑苦しいといったほうが正確か。タンブルポップのほうのサントラにはこの曲のみアレンジが用意されていて、そちらはかなりアグレッシブにギターを利かせた聴き応え抜群の仕上がりです。あわせてどうぞ。

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