ロケットスタジオがおくるトレーディングカードゲーム＋ボードゲーム・
カルドセプトより、伊藤賢治作曲、サーガの『霧の国ブリュメーア(戦闘)』。
ブリュメーアでの戦闘で流れます。
大宮ソフトが開発を手がけてきたカルドセプトシリーズのうち、プラットフォームと開発元を移して登場した本作。不思議な夢を見たことをきっかけに、カードを操るセプターの力に目覚めた主人公は、アドヴァタール帝国の妹王・ファウスティナに素質を見出され、争乱の危機にある帝国を救うことになる。肝となるカードは一新され、新たな特殊能力として、配置時に呪いを付与する呪身や領地コマンドを使用できる即時などが追加されたことで、全体的なゲームのテンポが向上した。一方で、発売当時はかなり多くの致命的なバグが存在していたことで知られ、今までのシリーズとは比べ難い仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは五十嵐真理氏、伊藤賢治氏、川西敦子氏、空井敦史氏、高野智恵美氏、高橋雄蔵氏、飛渡健次郎氏、渡邊雄基氏の八名。前作に引き続きメインコンポーザーを務めるフリーランスの伊藤氏を除き、いずれも音楽制作会社ジョーダウンスタジオ所属の作曲家たちである。本作でもシリーズおなじみの形式で、ステージごとに前半・後半・戦闘と3曲用意されていて、オーケストラを効果的に用いた壮大な楽曲が数多く揃っている。サウンドトラックには合計100曲以上の収録曲が4枚組におさめられている。
霧の国ブリュメーアは深い霧に覆われた湿地帯で、またの名を水の国というように、特に水属性の地形が多く存在するステージだが、その戦闘シーンで流れるのがこの曲である。清涼感あふれるピアノの音色が特徴的な『霧の国ブリュメーア(前半)』や、同じくピアノ主体で疾走感が増した『霧の国ブリュメーア(後半)』とは異なり、この曲ではピアノの代わりにアコースティックギターが軸となって情熱的な旋律を紡いでいく。その民族音楽調のメロディーラインは、幻想的かつ躍動的な昂揚感に満ちている。1ループ40秒ほどの限られた尺に、清らかで艶やかな雰囲気を濃縮した一曲である。
ブリュメーアは3曲すべて魅力的で、癒しと静寂の前半曲、焦らしと疾走の後半曲、そして麗しと神秘の戦闘曲、どれも素敵ですね。いずれもイトケンさんの作曲です。前半および後半、あわせてどうぞ。
