西木康智作曲、『凍竜フロストドラゴンのテーマ』。フロストドラゴン戦で流れます。
コナミ製のアーケード用キッズ向けカードゲームとして登場した本作。三体のモンスターを率いて敵チームとバトルを繰り広げることになる。特筆すべきは筐体にプリンターとスキャナーが付属されていることにより、ゲーム終了後にその場でモンスターの情報を記載したカードを印刷し、次のプレイでスキャンして再利用可能な、いわば自分だけのカード（オレのカードでオレカ）を蒐集できる点である。戦闘システムはルーレットで行動内容が決まるターン制コマンド式のチーム戦で、ゲージを溜めて強力なEX技を放つことで戦況を変えられる。カードゲームの新たな可能性を開拓した画期的な仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは髙德明弘氏、戸田信子氏、西木康智氏、浜口史郎氏、優宜理奈氏。編曲のみの参加でAIKO OI（大井藍子）氏と佐藤直之氏がそれぞれ1曲ずつ手がけている。このうち戸田氏（稼働開始前に退社済みの元コナミの作曲家）と西木氏（2015年まで在籍していた）の両名が中心となって大多数の楽曲を書き下ろしている。本作では対戦を盛り上げるような上質で情熱的なファンタジーサウンドが揃っている。また、作中でゲストキャラとして月風魔伝や悪魔城ドラキュラをはじめとする他のコナミ作品が登場することから、オリジナルのみならずアレンジも充実している。サウンドトラックは現在に至るまで4種類発売されている。
第5章「氷劇の海域」に出現する凍竜フロストドラゴンとの戦闘で流れるのがこの曲である。凍竜という名前通り氷片を纏ったような白銀の体躯が印象的な、氷系の攻撃を得意とするボスで、その凛々しい存在感を速弾きピアノが力強く引き立たせる。高音をかき散らす幻想的で流麗な旋律に、テクノ系のノリの良いビートを組み合わせることで、疾走感と陶酔感あふれる響きを生み出している。身を切るような冷たさが音を通じて伝わってくる一曲である。
寒々とした雰囲気にピアノがよく合いますね。「とうりゅう」繋がりで言えば、同じくピアノが冴え渡る一曲として、以前こちらを紹介しました（ただし厳密にはルビが異なり、冬竜と書いて「とりゅう」と読みます）。
