悠紀エンタープライズがおくるハートフル2D対戦アクション・アルカナハートより、
吉平元治作曲、『その心、その力』。廿楽冴姫のテーマとして流れます。
サムライスピリッツ零の開発元として知られる悠紀エンタープライズのオリジナル格闘ゲームとして登場した本作。純粋な心を持つ女の子だけが感じ取れる聖霊・アルカナが実在する世界を舞台に、東京上空に次元の歪みを察知したアルカナ使いの少女たちは、迫る関東崩壊を阻止すべく立ち上がることになる。登場人物は10代前半の美少女だらけ、萌えに特化した作風が特徴で、開始時にキャラとアルカナの組み合わせを選択し、自分好みの性能で戦うことができる。アルカナの力を発動するアルカナアクション（いわゆる必殺技）や、相手を自動追尾できるホーミングアクションが存在し、特に後者は移動以外に、同じボタン操作で攻撃や防御をキャンセルする機能も併せ持つ。1作目にしてシリーズの基礎を詰め込んだ仕上がりとなっていて、後にバランス調整を施したアッパーバージョンのFULLが登場したほか、PS2にも移植された。
本作の音楽を担当するのは吉平元治氏。音楽制作会社SoundCocktailの代表で、アルカナハートシリーズには欠かさず携わっている作曲家である。本作では現代ファンタジーのポップな世界観にあわせて、シンセサイザーを駆使した爽やかでノリノリなサウンドが揃っていて、キャラごとのテーマ曲として、巫女なら和風、チャイナ服のロボ娘なら中華風、ゴスロリ幼女ならクラシカルなバロック調など、個性豊かなジャンルを楽しめる。サウンドトラックはオリジナル音源とセルフアレンジ音源がそれぞれ収録されている。
廿楽冴姫（つづら・さき）のテーマ曲として、彼女のステージである「新宿・摩天楼」で流れるのがこの曲である。冴姫は主人公・愛乃はぁとの幼馴染にして大人びた性格の帰国子女であり、その長い青髪と、鋭いキックによる豊富なタメ技が特徴の女子中学生である。そんな彼女と都心のビルの屋上で颯爽と戦うシチュエーションを、小綺麗なピアノの音色を軸にしたアップテンポな曲調で鮮やかに彩ってくれる。疾走感あふれるイントロが明けた15秒頃には、ビブラフォンの小粋な旋律が加わることで、どこかジャズっぽい響きを生み出す。一連のフレーズが終わる44秒からはすこしも勢いを落とさず盛り上がり続け、1分13秒にはピアノが今まで以上に生き生きと踊り出す。気高き心と確かな実力とを兼ね備えた彼女らしい一曲である。
こういう曲、キャラもですが、とても好みです。アレンジ版はイントロからエレキギターが入ってバリバリに魅せてくれます。あわせてどうぞ。
