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#988 『Return to Planet X』(Graeme Norgate/TimeSplitters 2/PS2)

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Free Radical DesignがおくるFPS・TimeSplittersより、

Graeme Norgate作曲、2の『Return to Planet X』。同名のミッションで流れます。

レア社の元スタッフが立ち上げたFree Radical Designの代表作であるTimeSplittersシリーズの第2作にあたる本作。2401年の遠未来、特殊部隊所属のCortez軍曹は、過去を改変し地球を破滅へと導かんとする地球外生命体・TimeSplittersに対抗すべく、様々な時代をめぐって戦うことになる。シリーズで唯一日本国内で発売された作品(邦題は「タイムスプリッター ~時空の侵略者~」)で、ストーリーモードはもちろん、マルチプレイ要素として基本的に4人まで参加できるアーケードモードやチャレンジモードが存在する。使用可能なキャラは曲者揃いで総勢126人、武器は銃だけでなく時代ごとに弓やレンガなどがあるほか、対戦はオーソドックスなデスマッチから鬼ごっこ的なもの、チーム戦で敵陣のバッグの奪取を目指すCTFのようなもの、その他諸々の計16種類も用意されているうえに、チャレンジミッションも充実している。マルチプレイを中心にボリューム満点かつ面白くつくり込まれた仕上がりとなっている。後に海外限定でXboxゲームキューブに移植された。

本作の音楽を担当するのはGraeme Norgate氏。かつてレア社に在籍していた、当時Free Radical Designに所属していた作曲家である。TimeSplittersシリーズにはすべて参加している馴染みのコンポーザーで、レア時代には同じくFPSのジャンルでゴールデンアイ007パーフェクトダークなどの作曲経験がある。本作ではステルス要素あり、かつタイムトラベルをベースにした高濃度なSF的な世界観にあわせて、緊張感漂う曲調を中心としつつ、オーケストラ、テクノ、ロック、ウェスタン、オリエンタルまで、場所も時代も異なるステージ群を臨場感たっぷりに彩る楽曲が揃っている。サウンドトラックについては、閉鎖済みだが一時期、開発元の公式サイトで無料配布されていたほか、Norgate氏のBandcampで販売されている。

4つめのステージで、2200年を舞台としたReturn to Planet X(惑星Xへの帰還)で流れるのがこの曲である。浜辺付近のマシンガンを使って、残弾とダメージに注意しつつ大量に湧き続ける敵を迎撃する難所が印象的なミッションで、歯応えある難易度にふさわしいシャープなテクノサウンドが一連の戦闘を盛り上げてくれる。乾いたパーカッションイントロから始まり、刃物のように鋭いエレキギターのリフが加わると、電子音も交えながら激しい勢いで旋律を奏でる。攻撃的な曲調だが、全体的に粘り強くフレーズを反復することで、どこか落ち着いているようにも感じられ、熾烈な撃ち合いのなかで冷静さを保つのにうってつけな印象を与える。クールでスリリングな響きに満ちた一曲である。

刺激と落ち着きのバランスがいいですね。ちなみに次のステージのネオトーキョーのデモでこの曲のショートアレンジが使われています。せっかくなのでネオトーキョーの話をすると、時代設定は2019年なのでもう追い越してしまいましたが、音楽含めこの怪しい暗黒街っぽさは素晴らしいですね。歌声が日本語じゃないのも味噌です。『Neo Tokyo』、あわせてどうぞ。

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