VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1010 『Endless Despair』(石渡太輔/BLAZBLUE CONTINUUM SHIFT/AC)

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アークシステムワークスがおくる2D対戦格闘・ブレイブルーより、

石渡太輔作曲、CSの『Endless Despair』。ボスハザマのテーマ曲として流れます。

個性的な固有アクションと繋げやすいコンボが特徴のブレイブルーシリーズの2作目にあたる本作。魔術と科学が融合した術式を管理する統制機構の絶対的権力に対し、反旗を翻して戦う賞金首の男・ラグナは、宿敵・テルミの復活を察してさらなる闘争に身を投じることになる。基本的なゲーム性は前作を継承しつつ、本作では新キャラの追加やシステムの改良が施されていて、特にガード関連では1Pと2Pでゲージを共有していたガードライブラが、キャラごとに使用回数が定められたガードプライマーに置き換わるなどの仕様変更があった。技の調整やコンボの繋げやすさの強化に加え、新要素として特定の攻撃にカウンターを決めると敵の受け身不能時間を延長させられるフェイタルカウンターが導入され、一気にコンボを叩き込むチャンスが生まれた。その他、初心者用のビギナーモード、練習用のスパーリングモードなどが搭載され、前作から順当にブラッシュアップされた仕上がりとなっている。後にPS3Xbox360に移植された。

本作の音楽を担当するのは石渡太輔氏。アークシステムワークスに所属する作曲家兼ゲームクリエイターである。ギルティギアシリーズでもおなじみの氏だが、ブレイブルーシリーズでは作風や趣向をすこし変えてシンフォニックロックやシンフォニックメタル寄りのヘヴィなサウンドが揃っていて、本作の新キャラに合わせて追加された楽曲も同様の路線を取っている。サウンドトラックについては本作のボーカルアレンジ盤が存在するほか、シリーズの楽曲を網羅したSOUND COMPLETE BOXに本作の楽曲が収録されている。

ジンを除くキャラを選択した際、ラスボスとして対峙することになるハザマとの戦いで流れるのがこの曲である。ハザマは統制機構の諜報部に所属し、飄々とした態度で暗躍する謎多き悪人だが、そんな彼との最終決戦を高圧的な曲調のドゥームメタルで彩る。はじめはストリングスとコーラスの退廃的なアンサンブルによって重厚な威圧感を醸すが、21秒から破滅的なシンバルが響いて熾烈さを印象付けると、36秒からはさらに過激なエレキギターの速弾きが参戦する。恐ろしくも鮮やかなギターとドラムが激しく絡み合うなか、時折オルガンやピアノなどが加わることで、クライマックスらしい厳粛な雰囲気を漂わせ、いかにもラスボス然とした抜群のインパクトを生む。激しいだけでなく、どこか悲愴的な色味を帯びた一曲である。

12曲まとめていただいたリクエストの第1弾です。アレンジでいうとボーカル版のほかにCPの『Endless Despair II』(編曲:YUHKIさん)がありますね。ギターがさらに重く激しく変幻自在になったような感じです。あわせてどうぞ。

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