VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1025 『SUCK A SAGE』(石渡太輔/GUILTY GEAR XX/AC)

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アークシステムワークスがおくる対戦型格闘ゲームギルティギアより、

石渡太輔作・編曲、XXの『SUCK A SAGE』。チップのテーマとして流れます。

ハイスピードなバトル展開が特徴のギルティギアシリーズの3作目にあたる本作。前作のゲーム性をベースに、4人の新キャラとサイクバーストや空中投げをはじめとする新システムが追加された。従来の4ボタンにダスト(D)を加えた5ボタンで操作することになり、D+任意の1ボタン同時押しで発動するサイクバーストによって、ニュートラル時はもちろん攻撃を喰らっている最中でもバーストゲージを消費して相手を吹き飛ばせる衝撃波を身に纏うことができる。これにより使いどころの見極めや読み合いの奥深さが増し、攻め重視の高速なゲームバランスに新たな遊びが生まれた。そのほか、キャンセル技として特定の技のわずかなタイミングを狙って出せるフォースロマンキャンセルが導入され、対戦ゲームとしてのシステム的な完成度が高まった。総じて現在に至るまでのシリーズの基礎を盤石にした仕上がりとなっている。後にPS2に移植されたほか、複数のアッパーバージョンが登場した。

本作の音楽を担当するのは石渡太輔氏と盛山浩一氏。石渡氏はアークシステムワークスに所属するゲームクリエイター兼作曲家で、GGシリーズのゼネラルディレクターとして開発全般に携わっている。盛山氏はロックキーボーディストで、ロックカバーバンド・HOT ROD CRUEなどで活動している。各キャラのテーマなど石渡氏が多く作曲していて、盛山氏は少数の作曲にとどまっている。本作でもおなじみの熱いハードロック調の楽曲が勢揃いしていて、ギターもベースもドラムも生演奏にこだわったことで今まで以上に荒々しい臨場感を醸すようになった。サウンドトラックは本作単体で収録されたものやライブ音源のものなどが存在する。

初代から登場する忍術使い・チップ=ザナフのテーマ曲として流れるのがこの曲である。かつては重度の麻薬中毒だったが師匠に救われたことで教えを継いだ白髪の青年で、忍者らしく機動力が高い一方で、耐久面は心許ない性能である点が特徴である。その彼のテーマを、初代から変わらぬハイテンションな曲調のもと、本作では生演奏によって過激さが増したアレンジ音源で彩る。豪快に暴れ回るエレキギターの主旋律に、厚みと勢いが融合した苛烈なベースと血気盛んなドラム捌きがしがみつくことで、一切中弛みしないフルソロットルかつハイペースな曲展開を見せる。1分頃に迎えるサビの力強さはさることながら、サビが終わったあとの間奏でも失速することなく濃密な重厚感を維持し続ける。喧嘩っ早さも動きの速さも随一のチップにふさわしい、スリリングなスピード感に満ちた一曲である。

12曲まとめていただいたリクエストの第4弾です。痺れるような疾走感ですね。初代~XX+ライブ音源の聴き比べ動画があるので、あわせてどうぞ。……ちなみに動画の最後にやられボイスが入っています。

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