データイーストがおくるニュータイプRPG・ダークロードより、
岩崎正明・酒井省吾・鈴木雄司・高濱祐輔・三浦タカフミ・桃井聖司作曲、
『邪神の村』（仮称）。邪神の村のシナリオで流れます。
ヘラクレスの栄光シリーズなどで知られるデコのRPGとして登場した本作。かつて光の神・アルファーズによって封印されたはずの闇の支配者・ラグメイラの復活が迫るなか、主人公一行が各地の問題に対処することになる。最大6人まで性別やクラス、ステータスの割り振りも含めて設定できるキャラメイクシステムが搭載されていて、うち3人までパーティを組むことができる。ストーリーの導入部こそ一見オーソドックスだが、酒蔵の掃除や人探しなど、街の人や組合から依頼を受けることで計12個の個別シナリオを攻略していく自由度の高いゲーム性が特徴である。拠点となる街での行動はコマンド選択式のアドベンチャー風、フィールドやダンジョンはトップビュー、戦闘はターン制で各ユニットを動かすシミュレーション形式など、一口にRPGといっても様々なジャンルの要素が融合している。一風変わったシステムが印象的な意欲作に仕上がっている。
本作の音楽を担当するのは岩崎是政こと岩崎正明氏、酒井省吾氏、鈴木雄司氏、ゆうすけこと高濱祐輔氏、三浦タカフミ氏、桃井聖司氏。いずれも当時デコに所属していた作曲家である。本作ではドラムや重低音をうまく活かした個性的な楽曲が揃っていて、シナリオごとに専用の曲が用意されているため曲の総数も充実している。サウンドトラックは未発売のため、曲名は便宜上の仮称とする。
邪神の村のシナリオで流れるのがこの曲である。いつもの街に戻ったら壊滅状態で人影がほとんどなく、別の村からやってきた青年に話を聞くと、彼の村も同様の被害に遭ったらしく、それもこれも人々を生贄に捧げる謎の教祖の仕業だという。真相を確かめるべく調査に向かうという筋書きの終盤のシナリオを彩るにあたって、イントロでまずパンチの効いたパーカッションを響かせてシリアスなムードを整える。続いて主旋律が短めの音価でリズミカルに奏でられることで、適度に身が引き締まる勇ましいノリを生む。30秒ほど経過したあたりで休符を挟まず一息に突っ走ると、元々忙しい曲調がさらに差し迫った雰囲気を漂わせる。フレーズが終わると間もなくループに突入するため、1ループは40秒弱である。コンパクトな曲尺で切羽詰まった感覚をよく表現した一曲である。
全体的に良曲揃いで、街の曲（下記動画の3:43～4:37）とかも好みです。よければ通しで聴いてみるか遊んでみてください。
