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#1121 『正調 ミオのじょんがら節』(藤本大輔/スーパーロボット大戦外伝 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL/SFC)

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バンプレストがおくるシミュレーションRPGスパロボより、

藤本大輔作曲、魔装機神LOEの『正調 ミオのじょんがら節』。

ミオ・サスガのテーマとして流れます。

古今東西のロボット作品のキャラクターが共演するスパロボシリーズのうち、バンプレストオリジナル作品「魔装機神サイバスター」に焦点を当てたスピンオフとして、ウィンキーソフトが開発した本作。ラ・ギアスという地底世界に突如召喚された少年・マサキ=アンドーは、精霊の力を宿す人型機動兵器・魔装機の操者となって戦うことになる。細かなものから大きく物語を動かすものまで、多数の分岐要素を持つ2部構成のシナリオが特徴で、版権キャラを扱わないオリジナルストーリーながらも熱く重厚な展開を楽しめる。基本的なゲーム性はシリーズ譲りだが、地形の概念や機体の変形などの要素が含まれない代わりに、ユニットごとの守護精霊(属性)や、パイロットごとのプラーナ(機体性能を上昇させる固有のパラメータ)など、複数の新システムを取り入れている。戦闘はクォータービューのマップでおこなわれ、高低差や向きによって補正がかかる仕組みを採用している。キャラも世界観もグラフィックもしっかりつくり込まれた手堅く遊び甲斐のある仕上がりとなっている。後にDSとPSP向けにリメイクされた。

本作の音楽を担当するのは藤本大輔氏。当時ウィンキーソフトに所属していた作曲家である。スパロボシリーズには本作のほかに、第4次やそのリメイクにあたるFおよびF完結編に携わっている。本作の楽曲は、ロボットものらしい情熱的でノリの良いものから、ファンタジーらしい幻想的なオーケストラ調まで、スーファミ音源の魅力をうまく引き出した多彩なサウンドが揃っている。また、これまでの作品で固有BGMのなかったキャラに専用のテーマ曲が与えられ、以後のシリーズでも受け継がれていくことになる。サウンドトラックについては、一部楽曲のアレンジも含めて収録されている。

ミオ・サスガのテーマとして、彼女が戦うシーンで流れるのがこの曲である。ミオはお笑いが大好きな女子高生パイロットで、ネタ発言の多いマイペースなムードメーカー的な立ち位置だが、合気道の有段者でもある。彼女の戦闘シーンを彩るにあたって、イントロからオーケストラヒットと津軽三味線を組み合わせた迫力満点の音色を響かせることで、元々インパクトの強いキャラをいっそう深く印象付ける。三味線こそ派手に掻き鳴らされるが、尺八の旋律やストリングスの伴奏はやや落ち着いた哀愁を漂わせていて、和風ならではの華やかさと侘びをうまく両立している。とりわけ30秒頃から始まる三味線パートは大きな聞かせどころで、三味線そのものの凄みに加えて、ベースやパーカッションが折よくリズミカルに合いの手を入れることで、息もつかせぬ怒涛の勢いを感じさせる。芯の通った堂々たる気迫に満ちた一曲である。

この曲を紹介してほしいというリクエストをいただきました。普段はふざけてても戦うときは本気、というのがよく表現されてますよね。アレンジはいろいろありますが、セガサターン版のF完結編のバージョンとかは好みです。あわせてどうぞ。

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