コーエーがおくる育成レースゲーム・もんすたあ★レースより、
岡安千夏・末村謙之輔・照田明弘作曲、おかわりの『大会レース』（仮称）。
大会レースで流れます。上記動画の12:41から13:53まで。
モンスターを走らせて競うもんすたあ★レースシリーズの2作目にあたる本作。モンスターレースが普及している世界を舞台に、モンスターレーサーの主人公は、今年で100回目を迎える大会・ベリーベストカップの優勝を目指して冒険することになる。各地に生息するモンスターを仲間にして育成するという典型的なシステムに、力比べではなく速さ比べに主眼を置いたユニークなコンセプトが特徴である。レースごとに様々な地形があり、モンスターによって地形の得手不得手があり、必要に応じて特技や交代を使いこなしながら最終的に一着を狙う、というのが主な流れである。基本的なシステムやマップ構成は前作と変わらないが、本作では前作のライバル視点のストーリーが描かれるほか、登場するモンスターの種類が微増し、生息地などが見直された。「おかわり」という副題が示す通り、正統な続編というよりマイナーチェンジに近いつくりだが、引き続き一風変わった奥深さを感じさせる仕上がりとなっている。後に前作とあわせてPS向けに移植された。
本作の音楽を担当するのは岡安千夏氏、末村謙之輔氏、照田明弘氏。岡安氏と照田氏は当時コーエーに所属していた作曲家である。末村氏は自身が設立したスタジオPJに在籍している作曲家である。このうち照田氏と末村氏は前作にも携わっていた（照田氏はサウンドディレクターで、末村氏は作曲担当）が、岡安氏はシリーズ初参加である。本作では前作からの流用曲が大半を占めるが、一部新曲が書き下ろされている。GB音源による明るく楽しく疾走感のあるサウンドを楽しむことができる。サウンドトラックは未発売のため、曲名は便宜上の仮称とする。
大会レースで流れるのがこの曲である。各地の街で開催される大会の本番で流れるもので、最終目標であるベリーベストカップでも使用されている。イントロからシリアスなテンションに満ちた旋律と、小刻みに低音を奏でる伴奏が絡み合うことで、真剣勝負らしい緊迫感を漂わせる。8秒頃（上記動画の12:49）で非常に耳に残る高音を鳴らし、続いて15秒（12:56）には目まぐるしいほどメロディアスな音階を奏でると、ますますレースにのめり込ませてくれる臨場感を生む。曲前半は焦燥を誘うような曲調だが、後半（13:04以降）は陽気さが増し、全力で競い合いつつもレースを楽しんでいるかのような印象を与える。が、その後まもなくループに突入し、再び手に汗握る激しいスリルを漂わせるようになる。緊張と興奮がバランスよく融合した一曲である。
この曲を紹介してほしいというリクエストをいただきました。GB音源のざらっとした聴き心地が曲調によく合いますね。PS版はシンセ系のアレンジで尺が伸びてます。あわせてどうぞ。
