横田真人作曲、ジャングルビートの『キッキ村の祭り』（仮称）。
同名のステージで流れます。
ドンキーコングシリーズのスピンオフとしてゲームキューブ向けに登場した本作。今度のドンキーコングは、各地の王を倒して王の中の王を目指すことになる。全16王国＋最終ボスから成るステージクリア型の2Dアクションで、タルコンガ（二つ一組のタルを模したコントローラで、中央に手拍子を感知するセンサーがある）に対応している点が特徴である。左右移動は左右のタルをたたき、ジャンプは両方を同時にたたき、攻撃したり仕掛けを動かしたりバナナを一斉に獲ったりするには手拍子を打つことで、直感的に様々なアクションを繰り出せる。ボス戦では手拍子による回避＆タルたたきによる連打を駆使し、文字通り敵をボコボコに叩きのめせる戦闘システムが採用されている。あらゆる操作とギミック攻略がタルコンガ向けに最適化されていて、レスポンスが良好であるのみならず、コンボを繋げるとどんどん演出が豪華になっていくなど、たたく気持ち良さがとことん追求されている。全体のボリュームは控えめで、物語の掘り下げ等もほぼないが、癖になる陽気な遊び心地を得られる仕上がりとなっている。後にWiiに移植され、ヌンチャク向けに操作体系が調整された。
本作の音楽を担当するのは横田真人氏。任天堂に所属する作曲家で、当時は移籍したての新顔だった。ドンキーコングシリーズの作曲経験は現時点で本作のみだが、本作以降、広い意味で本シリーズと関連性が深いマリオシリーズのサウンドを手がけることになる。本作では全体的に明るさや勇ましさを強調した楽曲が揃っていて、従来のSDK系統のやや翳のある作風とは違ってノリノリなBGMを楽しむことができる。また、過去作でおなじみの楽曲のアレンジも含まれる。サウンドトラックは未発売であるため、曲名は便宜上の仮称とする。
スイカ王国のステージ「キッキ村の祭り」で流れるのがこの曲である。キッキとは本作の案内役を務める小柄なサルで、このシーンでは彼らが何らかの祭りを催している。木を伝って縦横無尽に駆けて、ときどき映る夜空の花火を傍目に進むステージを彩るにあたって、ホンキートンクを思わせるピアノの音色が明朗に響き渡る。出だしのピアノに続いて、2～8秒では溌溂としたビートを刻むことで、初っ端からお祭り気分全開の迫力満点な雰囲気を漂わせる。リズムの愉しさと相まって、まるでピアノがはしゃいでいるかのような勢いを感じさせる。36秒からはピアノの代わりにラッパが大袈裟なほど派手な盛り上がりをみせ、良い意味で安っぽくて親しみやすい印象を与える。非常に愉快で豪快な一曲である。
聴いているだけですごく楽しいですね。他にも大神木の曲が好きです。曲のテイストは違いますが、そっちも聴いていると楽しくなります。あわせてどうぞ。
