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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#222 『セプテントリオン』(伊藤賢治/デビルサバイバー2/NDS)

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アトラスがおくるシミュレーションRPGデビルサバイバーより、

伊藤賢治作曲、2の『セプテントリオン』。

セプテントリオン戦でのシミュレーションパート(バトルフィールド)で流れます。

女神転生シリーズの異聞録として、デビルサバイバーの続編にあたる本作。未曾有の災害により突如崩壊した現代日本を舞台に、襲い来る侵略者に対抗すべく、13人の悪魔使いたちが立ち上がり、終末までの七日間を生き抜くことになる。前作に引き続き、壊れゆく日常のなかでの葛藤と選択の物語が紡がれ、極限状態でのシビアなサバイバルが描かれる。敵である侵略者・セプテントリオンだけでなく、人間同士の対立をも描いたハードな世界観が特徴で、前作から正統進化した堅実な仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは伊藤賢治氏に加え、アトラスサウンドチームより喜多條敦志氏、小塚良太氏、小西利樹氏、土屋憲一氏から成る総勢五名である。前作において作曲を担当したGODEIGOの故・浅野孝已氏が築き上げたハードなサウンドを継承しつつ、本作では、戦闘曲を中心にいかにも伊藤氏らしい熱情が伝わってくるような楽曲が揃っている。後年に発売された3DSのリメイクでは、当時アトラスに所属していた目黒将司氏が追加曲を担当し、先着購入特典のサントラにはいくつかの楽曲のアレンジ版が収録されている。

北斗七星の名を冠した侵略者・セプテントリオンとの戦いにおいて、シミュレーションパートのバトルフィールドにて流れるのがこの曲である。張り詰めた空気のもと、異形の者と対峙する恐怖を表現した儚くも力強いピアノの音色は、けたたましく鳴り響くエレキギターの野性的な旋律と合わさって、逃げ場のないサバイバルにふさわしい緊張感を生み出している。ピアノとギターが交互に主旋律を譲り合うことで、静けさと激しさが併存し、美しさと恐ろしさの双方を一挙に味わうことができる。荒々しくも洗練された音使いが印象的な一曲である。

この曲のアレンジ版はコーラスが加わり、ビートがかなりはっきりと主張していて、ディスコで流したいようなスタイリッシュでダンサブルな出来映えです。あわせてどうぞ。

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