東亜プランがおくるシューティング・達人王より、
弓削雅稔作曲、『STAGE 2 "I DEFEND STM"』。2面で流れます。
上記動画の2:47から5:57まで。
東亜プランの代表作であるTATSUJINの続編にあたる本作。大宇宙の片隅で達人を越えて王となる運命を背負った戦闘機・ハイパーファイター号が飛び立つことになる。全6面で周回制の縦スクロールシューティングで、前作は高難度だがやることはシンプルでパターンを覚えて対処できる水準だったが、本作は1周目1面から殺意に満ちた極悪難度で知られる。操作は前作同様、8方向レバー+ショット・ボムの2ボタンから成り、道中で取得可能な3種のパワーアップ武器に応じて自機の両脇にオプションが付き、扇状のショットを撃ったり、追尾レーザーを照射したり、射出後一定時間で爆発するナパームボムを放ったりすることができる。本作を極悪難度たらしめる要因は敵の硬さ、編隊を組んで襲いかかる敵の攻撃の熾烈さと執拗さ、自機の当たり判定の大きさ、ミス時の戻り復活とパワーアップ剥奪によるリカバリーの難しさなどが挙げられ、そのうえ一つ一つのステージが長いため、技術力と集中力が徹底的に試される。総じてマニアックでカリスマ的な仕上がりとなっている。後にPCに移植されたほか、東亜プランアーケードコレクションVOL 2の収録タイトルの一つとして本作が含まれている。
本作の音楽を担当するのは弓削雅稔氏。当時、東亜プランに所属していた作曲家兼プログラマーで、現在は東亜プラン製タイトルの版権管理者として株式会社TATSUJINの代表を務めている。前作に引き続き本作も単独で作曲をおこなっている。本作ではFM音源に加えてPCM音源も取り入れていて、主にパーカッションや効果音などで活用されている。全体的に明るく爽やかでときどきプログレッシブなノリがある楽曲が揃っていて、難易度の凄絶さとは裏腹にウキウキさせられる魅力がある。サウンドトラックについてはボーナスアレンジ入りのオリジナル盤、他の東亜プラン作品とセットでモノラルとステレオバージョンを同時収録したコレクション盤などが存在する。
2面で流れるのがこの曲である。1面は緑や青など寒色系の背景が目立ったが、2面に入るとほぼ赤一色で敵基地のような場所を進んでいく。序盤は敵が矢継ぎ早に迫ってきて一機でも撃ち漏らすと後が厳しくなり、中盤には大型の敵戦艦が現れ、ステージ終盤になるとミサイルの猛攻や装甲の硬い戦車も出てくる。この曲は爽やかな曲調が多い本作のなかではやや毛色の異なる、堅牢で硬派なインダストリアルメタル系の力強さがある。出だしから強固なビートと金属質な音色を巧みに絡めてマッシブな印象を与える。10秒頃(上記動画の2:57)からメインフレーズに入ると、要所要所に吐息のようなエフェクトを挿入してユニークな聴き心地を生む。しばらく粘り強く繰り返したあと、38秒(3:35)あたりで流れを変え、やがてオルガンのような丸みを帯びた音色が聴こえ出す。依然として力強く盤石な曲調を保ち続けるなかでも、ただ硬いだけではない艶やかな響きとノリを感じさせるようになる。1分10秒(3:57)には明るい雰囲気になり、1分27秒(4:14)には一際高く潔い音色を鳴らして締め括ると、後を追うように音階を駆け下って仕切り直す。強硬だが意外と晴れやかな一曲である。
こういうゴリゴリした音色はときどき耳恋しくなって聴きたくなります。