VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1884 『Stage "MEXICO"』(阿部功・梶野俊夫・西垣俊/スーパーマッスルボマー/AC)

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カプコンがおくる対戦型格闘アクション・マッスルボマーより、

阿部功・梶野俊夫・西垣俊作曲、スーパーの『Stage "MEXICO"』。

メキシコステージで流れます。

プロレスを題材にしたマッスルボマーシリーズの3作目にあたる本作。プロレス連合・CWAと闇の地下組織・BWAが対立するなか、失踪していたCWA側の初代チャンピオンのオルテガが突如戻り、最強の称号であるマスター・オブ・マッスルボマーを賭けて屈強なファイターたちが戦うことになる。前作まではプロレス色を強く押し出していたが、本作ではルールや操作などが一般的な格闘ゲームに近い形に調整されている。具体的にはピンフォールやギブアップがなくなり、ノックアウト制3本勝負に変更されたほか、奥行きの概念がなくなった。操作体系は3ボタンから5ボタンへ拡張され、強弱のパンチ・キックとつかみから成り、多数の必殺技が追加されて飛び道具も扱えるようになった。大幅な仕様変更が目立つなかでも、投げ技が強力で、ロープ振りやアピールなどのプロレス要素も残されていて、筋肉隆々の男たちの激闘を彩る派手な演出やグラフィックの出来栄えが光る。総じてプロレスゲームとしては異色だが格闘ゲームとしては順当な仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは阿部功氏、梶野俊夫氏、西垣俊氏。作中ではそれぞれサウンド欄でOYAJI、T.Kajino、SHUN名義でクレジットされている。いずれも当時カプコンに所属していたサウンドクリエイターである。このうち西垣氏と梶野氏は前作から続投していて、阿部氏がシリーズ初参戦である。サウンドと一口に言っても作曲なのか効果音なのかサウンドデザインなのか判別しづらいが、すくなくとも阿部氏はサウンドトラックのライナーノーツ経由で作曲担当であることが明示されている。他の作品の傾向を見ると西垣氏は作曲も効果音も担うことがあるようだが、梶野氏は基本的に効果音やサウンドデザインの担当である。ゲーム性が変化しても音楽の作風は変化しておらず、ステージ曲やキャラのテーマ曲など主要なBGMは過去作からのアレンジが用いられている。アレンジの方向性に関しても原曲を大きく変えることはなく、よりパワーアップした音源で迫力と重みに磨きをかけている。サウンドトラックには短いジングルや効果音集、ボイス集も含めて収録されている。

メキシコステージで流れるのがこの曲である。メキシコは前作から続投しているルチャドールのエル・スティンガーの出身国であり、観客席にソンブレロを被ったマリアッチ集団がいたり、ライオンがいたり、ピエロがリングの外でパフォーマンスをしていたりと賑やかな印象が強い。この曲はそうしたイメージに寄り添うように西部劇っぽい曲調に仕上がっている。口笛はどことなく寂寥感があるが、意気揚々と刻むギターのリズムや分厚く鳴り渡るトランペットの伴奏は非常に分かりやすく牽引力がある。哀愁よりも力強さが前面に出ていて、1ループ40秒ほどでまとまりよく完結する。原曲と比べるとトランペットの厚みが増し、シンバルが曲全体に溶け込むような響きに調整されていて、より場の空気に合っているように感じられる。いかにもな濃さがある一曲である。

原曲のトランペットの安っぽさもなかなか好きです。あわせてどうぞ。

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