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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#688 『バベルの塔』(近藤嶺/ノスタルジオの風/NDS)

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テクモがおくるRPGノスタルジオの風より、

近藤嶺作曲、『バベルの塔』。同名のダンジョンで流れます。

テクモ初の本格的な王道RPGとして登場した本作。時は19世紀末、産業革命で飛空船を手にした人類が大冒険時代を迎える世界を舞台に、謎の組織との抗争により行方不明となった冒険家ギルバートの息子・エディは、父の行方を追って世界中を冒険することになる。ロンドンやエジプト、ニューヨークといった実在の都市で繰り広げられる壮大な冒険活劇が特徴で、冒険の拠点かつ移動手段である飛空船をカスタマイズしたり、天候や陣形が大きく影響する飛空船バトルという空中戦をおこなったりして進めていく。タイトル通り、その世界観や作風はどこか郷愁を誘う仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは小室香理氏と近藤嶺氏。スタッフロールに記載されていないが、佐藤真一郎氏も携わっている。いずれも音楽制作会社T's MUSICに所属する作曲家である。このうち近藤氏はメインテーマをはじめ、具体的な数は明らかではないが数十曲担当しているとのことである。王道を突き詰めたオーソドックスな雰囲気に沿って、丁寧かつ上品なオーケストラサウンドが揃っていて、冒険中に訪れる諸外国の文化や風土を感じさせるような民族音楽調のものも含まれている。サウンドトラックは予約特典に付属されたミニサントラに一部楽曲のみ収録されている。

バベルの塔といえば旧約聖書でもおなじみの伝説の塔だが、本作では飛空船でのみ行き来できる未開の地に聳え立つ機械仕掛けの塔として登場する。そこで流れるこの曲は、スタッカートのような調子で短く発声されるコーラスに、ミステリアスな温もりを醸すハープと木琴、そして優雅で艶美なストリングスの伴奏が見事に溶け合った一曲である。短音で構成されるものと、それとは対照的にレガートを思わせる弦の長音とが組み合わさることで、より深みとメリハリのある幻想的な空気感をつくり出していて、冒険者の好奇心をくすぐるような躍動感に満ちている。ちなみにゲーム開始直後のプロローグもこのバベルの塔が舞台で、さっそくこの曲を耳にすることになるが、早い段階で本作の世界観を没入感たっぷりに印象付けてくれる。

神話っぽい感じと、遺跡っぽい感じと、冒険心を掻き立てるような感じとがよく凝縮されていますね。塔系のダンジョンでは他にも『太陽の塔』『月の塔』(いずれも作曲者不明、ただ個人的な感触からして近藤さんによるものと思われる)などがありますが、そちらも素敵です。あわせてどうぞ。

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