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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#382 『終点』(安藤浩和/ニンテンドウオールスター! 大乱闘スマッシュブラザーズ/N64)

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HAL研究所がおくる爽快アクションゲーム・スマッシュブラザーズより、

安藤浩和作曲、初代の『終点』。マスターハンド戦のステージで流れます。

任天堂の人気キャラが一堂に会して吹っ飛ばし合うスマブラシリーズの原点である本作。初期8体・隠し4体の計12体の任天堂キャラが集って大乱闘を繰り広げることになる。対戦格闘ゲームさながらの殴り合いでありながら、アイテムやステージギミックなどによりお祭り要素が強い点が特徴で、同一画面内で最大4人まで同時に対戦することができる。キャラはもちろん、アイテム、ステージ、音楽に至るまで、各出典作品の要素がふんだんに取り入れられている。また、通常の対戦モードのほかに、迫りくるCPUを撃退する一人用モードも搭載されている。第1作にしてシリーズの基礎を固めた仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは安藤浩和氏。HAL研究所に所属している作曲家で、同じくHAL研が開発を務める次作のDXでも、複数の作曲家たちと一緒に引き続き作曲をおこなっているが、本作に関しては氏が単独で手がけている。クロスオーバー作品にふさわしく、対戦ステージでは各作品の楽曲をアレンジして取り入れたり、勝利時のファンファーレも原作にちなんだ効果音を使ったりしている。一人用モードでは本作オリジナルの要素があるため、それに合わせて、既存の作品にとらわれない無国籍なサウンドを書き下ろしている。サウンドトラックには短いジングルや効果音集、アレンジなども含めて収録されている。

マスターハンド戦専用のステージである終点で流れるのがこの曲である。11連戦の一人用モードの最後に立ちはだかる、巨大な右手を模した異形の存在・マスターハンドとの戦闘は、特別な仕掛けもなければ空中の足場もない、戦闘特化の平坦なステージで繰り広げられる。そのいわばラスボス戦を彩るのが、この荒々しさたっぷりのロックサウンドである。本作全体を貫くお祭りっぽさとは正反対の、終始殺伐とした曲調は、癖になる独特なリズムとともに、昂揚感と緊張感を煽ってくれる。得体のしれない者との戦いという状況を簡潔に表した一曲である。

20周年おめでとうございます(※記事執筆時)。やり込んだのはDXですが、64も印象深いですね。