VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#569 『攻勢の刻』(高田雅史/斬撃のREGINLEIV/Wii)

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サンドロットがおくる斬撃アクション・斬撃のレギンレイヴより、

高田雅史作曲、『攻勢の刻』。ユラン平原の大合戦などで流れます。

地球防衛軍シリーズなどで知られるサンドロットが開発を手がけた本作。北欧神話をベースに、双子の兄妹神・フレイとフレイヤが、神々に最終戦争を挑む巨神族の軍勢を斬り倒していくことになる。巨大かつ強大かつ大量の敵が大挙を成して押し寄せてくるさまはまさに圧巻で、Wiiリモコンの直感的な操作性で300種にも及ぶ武器を扱う爽快なアクションが魅力である。オフラインのストーリーモードのほか、オンラインのマルチプレイにも対応していて、最大四人で協力し合いながら凶悪な敵勢を討ち滅ぼすスリルを味わえる。CERO:D(17歳以上対象)ゆえに流血や切断描写などの過激な表現は多いものの、それに見合った刺激的な仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは高田雅史氏。かつてヒューマンに所属していた作曲家で、その縁からか、ヒューマンの開発スタッフが独立して出来上がったサンドロットの作品には、地球防衛軍シリーズをはじめほぼ欠かさず携わっている。北欧神話の壮大な世界観を反映して、本作では勇ましいオーケストラサウンドにノルディックな民族音楽のエッセンスを組み込んだ、独特な重厚感を誇る楽曲が多い。サウンドトラックは予約特典として一部の楽曲を収録したものがあるが、現在は非売品であり、その後もフルサントラは登場していない。

ユラン平原の大合戦、ゲーム中盤に差し掛かるあたりの山場とも言うべきミッションで初めて流れるこの曲は、以降も攻勢をかける際にときどき耳にすることのある一曲である。非常に勢いのあるストリングスのイントロが印象的で、力強さを堅持したまま威圧感たっぷりに奏でられる豊かなオーケストラが、大規模な戦場を華やかに彩る。その赫々たる音使いは、ミズガルズ(人間界)の命運を賭けた神々と人間と巨人との壮烈な戦いの様子を暴力的なまでにありありと彷彿させ、決戦の地における臨場感と没入感の両方を極限まで高めてくれる。

スイッチのジョイコンならWiiリモコンに似た動きができそうですよね。新作かリメイクか、あるいはせめてフルサントラの市販か、期待したいところです。