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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#921 『バトルその7(VSライバル)』(高野充彦/ガチャフォース/GC)

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カプコンがおくる3D対戦アクション・ガチャフォースより、

高野充彦作曲、『バトルその7(VSライバル)』。ショウとの決闘で流れます。

ガンダムVS.シリーズの流れを汲む完全オリジナル作品として登場した本作。小学生の主人公は、学校の裏山でガチャボーグ(手のひらサイズのマシン生命体)のGレッドと出会い、Gレッドの故郷を滅ぼした悪のガチャボーグ軍団に立ち向かうべく、正義の軍団・ガチャフォースを結成して戦うことになる。約200種類、見た目も性能も千差万別の個性的なボーグを随えてチームを編成し、コスト制で次々と出撃して敵の全滅を目指す、派手で爽快なアクションシューティング風のゲーム性が特徴である。周回プレイやボーグ集めなどのやり込み要素も充実していて、大味だが痛快なゲームバランスと相まって、意欲的な魅力が詰まった仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは高野充彦氏。カプコンに所属する作曲家である。主題歌は、特撮やロボットアニメなどを数多く手がけてきた渡辺宙明氏(作曲)と高取ヒデアキ氏(歌)が担当している。小学生向けの王道ロボットモノにふさわしく、主題歌をはじめ、ヒロイックで情熱的なサウンドが揃っている。サウンドトラックについては、設定資料集にミニサントラが付属されていて、曲名はいずれもかなり事務的なネーミングである。

主人公の前に立ちはだかるライバル・ショウは、正義も悪も見境なくガチャボーグを敵視し、1周目の初登場時はほぼ負け試合に近い苦戦必至レベルの圧倒的な強さを持つ謎の少年だが、その彼との満を持した一騎打ちにあたる「デスベースあとのけっとう」で流れるのがこの曲である。シリアスな昂揚感に満ちたシンセサイザーが響き渡る鮮やかなテクノナンバーで、ジャンと力強く鳴るオケヒが疾走感たっぷりの曲調に華を添えている。伴奏では複雑に音が絡み合って重厚感を醸し出す一方、主旋律は非常に真っすぐで直球勝負の熱さを滾らせている。まさにライバルとの決闘にぴったりな、燃えるような勇ましさを誇る一曲である。

この絶妙な、良い意味での古臭さが大好きです。シチュエーションの熱さがじかに伝わってきますね。