カプコンがおくるスタイリッシュアクション・デビルメイクライより、
近藤嶺作曲、4の『Frozen Frog』。バエル戦で流れます。
悪魔狩人の鮮やかな活躍を描くDMCシリーズのナンバリング4作目にあたる本作。スパーダという悪魔の魔剣士を神と崇める城塞都市・フォルトゥナを舞台に、魔剣教団に属する騎士の青年・ネロは、突如教皇を暗殺した謎の男を追って戦ううちに、やがて教団の真意を知ることになる。前作主人公のダンテに代わり、本作では新主人公のネロを中心としたアクションと物語を堪能することができる。おなじみの斬撃や銃撃に加え、ネロ専用のアクションとしてバスター（強烈なぶん投げ）やスナッチ（引き寄せ）など、デビルブリンガーと呼ばれる悪魔の右腕を駆使した豪快な技が揃っている。一方、ダンテも引き続き操作可能で、本作用にさらに洗練されたスマートな動きで、荒っぽいネロとはすこし毛色の異なる戦闘を楽しめる。アクの強いキャラや退廃的なグラフィックは健在で、ギミックやマップ構成などでやや煩雑な部分はあるものの、相変わらずパワフルで遊び甲斐のある仕上がりとなっている。後にPCに移植されたほか、追加要素を加えた拡張版がPS4、XboxOne、PCに登場した。
本作の音楽を担当するのはCHAMY.伊師氏、内山修作氏、近藤嶺氏、佐藤真一郎氏、柴田徹也氏、鈴木幸太氏、成田暁彦氏、長谷川憲人氏。内山氏・柴田氏・長谷川氏は当時、鈴木氏と成田氏は現在もカプコンに所属する作曲家である。また、伊師氏・近藤氏・佐藤氏は音楽制作会社T's MUSICに所属する作曲家である。このうち柴田氏は2から、長谷川氏は3から引き続き作曲しているが、他のメンバーはシリーズ初参戦である。戦闘を盛り上げる熾烈なロックやテクノから、カットシーンを繋ぐ荘厳なサウンドまで、本作でも数多くの楽曲が用意されている。サウンドトラックは主題歌を除き3枚組で収録されている。
バエル戦のうち、本体出現後に流れるのがこの曲である。2体目の大ボスにして氷を自在に操る蛙型の悪魔で、はじめは触手のみと戦う（その際は『Temptation』という曲が流れる）が、触手を撃破して本体と対峙する折にこの曲へと切り替わる。イントロからどぎついほどゴリゴリにシンセとビートを利かせた高純度なエレクトロニックサウンドで、非常に不協和だがノリノリな勢いを漂わせる。30秒頃からは怪しさが増し、さながら電子音が悲鳴をあげているかのような印象を与える。以降も1分・1分半・2分と、ちょうど30秒おきに一区切りついて次のフレーズへと移っていき、一貫して刺々しい曲調を維持し続ける。背筋が凍りつきそうなほどスリリングな一曲である。
格好良い蛙のテーマというと個人的にはこれがイチ押しです。『Temptation』（同じく近藤さんの作曲）もあわせてどうぞ。
