カプコンがおくるスタイリッシュ英雄アクション・戦国BASARAより、
T's MUSIC(CHAMY.伊師・遠藤大樹・近藤嶺・桜井紗良・幡手康隆)作曲、
大胆にアレンジされた戦国武将たちによる一騎当千のアクションが魅力の戦国BASARAシリーズのナンバリング3作目にあたる本作。徳川家康と石田三成を軸に、それぞれの思いを胸に関ヶ原の戦いに向けて乱世を戦い抜くことになる。プレイアブル武将は16人、前作から数を減らしながらも相変わらず個性派揃いで、史実を覆すような設定の数々は本作でも健在だが、ややシリアス寄りなシナリオによるマルチエンディング制を採用している。アクション面では武将ごとにしっかりと味付けされた動きが特徴で、前作では切り替え式で2種類までしか使えなかった固有技が、本作ではボタン操作で常時4種類とも使えるようになった。また、ゲージ満タンで敵を一定時間スローにできる戦刻ブーストや、ブースト中に発動できる超強力な究極バサラ技、軍勢の強弱に影響する陣地の概念など、新システムが多数追加された。従来作とはキャラ数や路線を変えつつ、一段と豪快さが増した戦闘を楽しめる仕上がりとなっている。後に追加要素を盛り込んだ拡張版の宴が登場した。
本作の音楽を担当するのはCHAMY.伊師氏、青木征洋氏、大谷幸氏、近藤嶺氏、桜井紗良氏、幡手康隆氏、和田由彦氏。スタッフロールに記載はないが、遠藤大樹氏も携わっているようである。このうち青木氏と和田氏はカプコンに、伊師氏・遠藤氏・近藤氏・桜井氏・幡手氏は音楽制作会社T's MUSICに、大谷氏は音楽制作会社イマジンに所属する作曲家である。本作ではポップなものから本格的なオーケストラ調まで、戦国乱世を彩る多彩な楽曲群が揃っている。サウンドトラックは発売されているものの、曲ごとの具体的な作曲者が明かされていないほか、未収録曲もある(宴のサントラに持ち越されている)。
最上義光のテーマとして、彼が登場するシーンで流れるのがこの曲である。非プレイアブルの敵武将(宴で操作可能になる)で、羽州の狐と称される最上家の当主である。本作では見栄っ張りで胡乱なネタ要素の強いキャラとして描かれていて、とりわけその独特なくねくねした動作が記憶に残りやすい。そうした特徴を踏まえて、この曲も冒頭からして奇抜な存在感を放っている。主旋律こそ剽軽でコミカルだが、伴奏のギターやパーカッションは鮮やかでスタイリッシュな雰囲気を漂わせている。ある意味フラメンコに似たノリの良さがあり、特に44秒頃からストリングスが派手に響き渡ると、非常に爽やかな印象を与える。かと思いきや、ループ直前の1分3秒~9秒のフレーズはやたら不穏な響きに満ちていて、彼の油断ならない一面もきっちり反映されている。狡猾だけど憎みにくい絶妙な匙加減を音で活き活きと表現した一曲である。
この曲を紹介してほしいというリクエストをいただきました。味のある良曲ですね。ちなみに前述の通り曲ごとの作曲者は不明ですが、この曲がT's MUSICの担当というのはJASRACのデータベースに載ってます。