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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1355 『MOMENTS OF PEACE』(小池雅人/真・三國無双4/PS2)

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コーエーがおくるタクティカルアクション、真・三國無双より、

小池雅人作曲、4の『MOMENTS OF PEACE』。リザルト画面で流れます。

三国時代の武将たちの一騎当千の活躍を描く真・三國無双シリーズのナンバリング4作目にあたる本作。発売当時のシリーズ最多となる48人の無双武将がプレイアブルで、無双モードでは武将ごとにその生き様を追体験することができる。前作から表現力や描画力が大きく強化されていて、より多くの敵を相手取ってより遠くまで戦場を見通せるようになった。本作では新たに、特定のアイテムを入手・消費することで一時的に能力を飛躍的に向上させる無双覚醒と、無双ゲージが最大のときに通常6連からさらに3連繋げて9連撃まで可能とするエボリューション攻撃というアクションが加わった。また、戦場の拠点は攻撃・防御・補給・進入のいずれかの役割を持ち、戦局や士気、武将育成に影響を及ぼす複合的な要素として機能するようになった。加えて護衛兵に関して、従来の複数人体制でモブ寄りの立ち位置から代わり、護衛武将として一人を同行させて無双武将並みにしっかり成長させられるようになった。純粋なキャラ数、各種システムともに新要素が盛りだくさんで、ゲームバランスはやや粗いものの、総じて充実した仕上がりとなっている。後にXboxに移植されたほか、アッパーバージョンの猛将伝PS2に、強化移植のSpecialがXbox360とPCに登場した。

本作の音楽を担当するのはMASA氏、五十嵐歩氏、小池雅人氏、志知道彦氏、中園秀久氏、長谷部徹氏、三澤康広氏。ゲストコンポーザーの長谷部氏を除き、いずれも当時コーエーに所属していたか、現在も吸収合併を経てコーエーテクモに所属している作曲家である。長谷部氏はテレビドラマの劇伴作曲などで知られる作曲家で、コーエー製の作品、とりわけ三國無双シリーズについては3Empでの作曲経験があるほか、三國志8も担当したことがある。 五十嵐氏、小池氏、中園氏は三國無双シリーズには本作が初参戦となるが、広義の無双シリーズでいうと直前に戦国無双を手がけている。本作では「大地と風」をコンセプトに、前作の中華楽器を取り入れた重めの路線よりも遡って前々作のアグレッシブなハードロックサウンドを復活させた力強い楽曲が揃っている。サウンドトラックについては、2枚組で収録された通常盤のほか、歴代シリーズ楽曲をまとめた究極BOXに本作および猛将伝やエンパのものも含めて網羅的に収録されている。

リザルト画面で流れるのがこの曲である。ステージをクリアすると、評定や獲得物、戦績などが相次いで表示されるほか、場合によっては護衛武将として仕官してくる者が現れる。戦を制して一息つきながら悠々と戦果を振り返る場面を彩るにあたって、この曲はまさに誂え向きな癒しの響きを帯びている。美しく音階を上り下りする古筝のグリッサンドから始まり、穏やかなビートを伴いながら二胡が円満な音色を奏でることで、心の底から安堵の溜め息が漏れそうな極上のくつろぎをもたらす。曲全体に癒しの雰囲気が色濃く漂うが、鼓の音は比較的重く打ち鳴らされ続けている。25秒から主旋律が高音主体に移ったり、さらに49秒からはピアノが加わったりするなかで、この鼓の力強い打音が流れをうまく支え、聴きやすいリズム感を整えている。特にループ直前の1分12~15秒は打音が非常に激しく目立つが、安らかな曲のムードを崩すことのない精巧なバランスを保っている。高山流水の如く婉美な一曲である。

同じく穏やかな曲調で二胡を用いた事典BGM『MEMORIES』(こちらも小池さんの作曲)も素敵ですね。あちらは癒しよりも使命感や悲壮感が強調されていて、また違った美しさがあります。あわせてどうぞ。

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