小池雅人作曲、5の『WELCOME TO CHINA』。許都侵略戦で流れます。
三国武将が一騎当千する真・三國無双シリーズのうち、ナンバリング5作目にして初のPS3進出作として登場した本作。アクションやキャラクターモーションを中心に大幅に刷新されたことが特徴で、従来のチャージ攻撃に代わり、新たに無限にコンボを繋げられる連舞システムなる独特なアクション性が導入された。武将やステージの削減にキャラクター間のモーション被りなど、一部ボリューム不足に感じられる点があるなかで、ハード性能の進化に伴って敵・味方兵の同時出現数が引き上げられたことでワラワラ感が強まり、火計や落石などの計略を効果的に用いて戦場を攻略する臨場感も増した。総じてシリーズの新境地を開拓しようとした意欲的な仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのはMASA氏、稲毛謙介氏、小池雅人氏、山田玄紀氏の四名。いずれも当時コーエーに所属していた作曲家である。このうち小池氏は現在も統合を経てコーエーテクモに所属している。四名とも本作以前にも広義の無双シリーズ(戦国無双等を含む)での作曲経験があるが、真・三國無双シリーズに限れば、稲毛氏と山田氏は本作が初参加である。本作では原点回帰をコンセプトに、中華とロックを組み合わせたクールなギターサウンドが勢揃いしていて、それまでのサンプリング音源から生演奏に切り替えたことから、より真に迫った迫力満点な音使いを堪能できるようになった。サウンドトラックは一曲ずつ作曲者によるコメントが付せられているが、PS2およびPSPの移植版Specialの楽曲は未収録である。
許都侵略戦、孫策や呂布や司馬懿のシナリオにおける重要な戦場におけるステージ曲として流れるのがこの曲である。エレキギターとドラムが織り成すハードロックな曲調に、アコースティックな笛の音が合わさることで、さながら空を裂く稲光のごとき激しさを誇る疾走感と、一点の曇りもない澄み切った風雅な清涼感が見事に併存している。最初から最後まで絶好調の盛り上がりを見せ続け、1分40秒すぎには笛の最大の見せ場として、ギターの伴奏を背景に、精一杯雅やかな演奏を披露する。まさに無双らしい気迫と気品に満ちた一曲である。
7では笛を強調して、とりわけ例の見せ場を中心に派手にセルフアレンジされているほか、オロチ3では豊田亜矢子さんの手でかなり大胆に、主旋律を除きほとんど原形を留めぬレベルでアレンジされています。『WELCOME TO CHINA -DW 7th MIX-』と『WELCOME TO CHINA -TRINITY MIX-』、二つあわせてどうぞ。