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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1157 『竜の祠』(佐橋佳幸/ポポロクロイス~はじまりの冒険~/PS2)

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SCEがおくるRPGポポロクロイスより、

佐橋佳幸作曲、はじまりの冒険の『竜の祠』。竜の祠で流れます。

絵本のような温かみのある世界観が特徴のポポロクロイスシリーズのうち、4作目にしてPS2進出作にあたる本作。前作から15年後を舞台に、ポポロクロイス王国の王子・ピノンは、海で知り合った謎の少女・ルナとの出会いをきっかけに、世界を闇で覆わんとする闇の精霊に立ち向かうことになる。前作までの主人公だったピエトロ王子の息子が主役を務めていて、物語の時系列的にもPS2にハードを移行したという意味でも世代交代を果たしている。グラフィックは2Dから3Dになり、デフォルメ調のキュートなビジュアルが楽しめる一方で、カメラワークやマップ構成などは発展途上なところがある。戦闘面ではシミュレーション風の位置取りの概念があった前作から変わり、リアルタイムで行動順が回ってくるシステムになった。また、フィールド探索の新要素として各地に散らばるエレメント集めが加わり、集めた数に応じて特技や魔法が強化される仕組みを取っている。ロードの多さと長さ、こぢんまりとしたボリューム感など、全体的に粗削りな印象はあるが、シリーズ譲りの上質な世界観はしっかりと受け継がれた仕上がりとなっている。

本日の音楽を担当するのは飯尾芳史氏、石川鉄男氏、佐橋佳幸氏。いずれも主にアーティストへの楽曲提供やレコーディング・プロデュース等を手がけるミュージシャンである。ポポロクロイスシリーズでは馴染みの顔ぶれで、石川氏と佐橋氏は初代から、飯尾氏は2作目のポポローグから携わっている。本作でもこれまでと同様、ギターや木管楽器などアコースティックな音色をふんだんに交えた耳心地の良い楽曲が揃っている。サウンドトラックには主題歌も含めて収録されている。

竜の祠で流れるのがこの曲である。城の裏手にある祠で、最序盤に訪れ、最終盤に再び訪れるダンジョンである。冒険の始まりとクライマックスの両方を、シリーズ通してのメインテーマである『ピエトロの旅立ち』の旋律を借りた小気味良いカントリーミュージックで彩ってくれる。イントロから独特なノリと温かみを兼ね備えたアコースティックギターが響き渡り、10秒頃から木琴が、18秒頃から主旋律の笛が相次いで加わることで、素朴で瑞々しい昂揚感を漂わせる。ひとしきり軽快なメロディーを紡いだ後、47秒で素早く音程を上下するトリルを用いて鮮やかに締め括ると、続けてしばしの間、スチールギターのふんわりと包み込むような特徴的な音色が奏でられる。1分手前でメインテーマのフレーズが入り、よりいっそう心に染みるような印象深い響きを生む。本作らしい牧歌的で味わい深い雰囲気を体現した一曲である。

いいですね。シチュエーションも楽器構成も素敵です。『ピエトロの旅立ち』もどうぞ。

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