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#562 『剣戟鳴動』(笹井隆司/ブシドーブレード弐/PS)

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ライトウェイトがおくる和風格闘ゲームブシドーブレードより、

笹井隆司作曲、弐の『剣戟鳴動』。対刃の間におけるステージ曲。

急所をつけば一撃で勝負が決まるブシドーブレードシリーズのナンバリング二作目として登場した本作。体力ゲージが存在しない一撃必殺のゲーム性はそのままに、本作では新たに二つの流派による激しい抗争を描いている。システム面で大きいのは、攻撃にからみ技(決まれば即死)が、防御に有利不利の判定(相性次第で体勢の崩れ方が変化する)が加わったことであり、ストーリーモードに関しては、前作では強制バッドエンド行きとなった、敵を背後から斬る等の卑怯な行為が容認されるようになった。全体的にみて、相変わらずイロモノ揃いのキャラクターたちと種々様々なサブウェポンが特徴的な斬新奇抜な仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは笹井隆司氏。本作の発売元であるスクウェアに当時所属していた作曲家で、本作を最後に氏はスクウェアを離れることになる。前作ではアリカの面々(相原隆行氏、佐宗綾子氏、細江慎治氏)が作曲を務めていたが、本作では一転、笹井氏が単独ですべての楽曲を手がけている。前作同様、武士道を意識した和風サウンドが多数収録されていて、氏が得意とするロックのエッセンスが大胆に取り入れた力強い出来栄えである。また、ストーリーモードでは基本的にフィールド用の音楽が存在しないなど、あまり類を見ない独特な仕様となっている。サウンドトラックはオリジナル音源のほか、アレンジやメドレーなどボーナストラック3曲も含めて発売されている。

対刃の間、本作における対戦モードで流れるのがこの曲である。鋭いシンバル音から始まる本格的な和風ロックナンバーで、猛然たる勢いで奏でられるエレキギターと三味線のエキセントリックな掛け合いが印象的である。ここぞとばかりに笛や鼓の音が挿入され、和楽器とギターが真っ向からぶつかり合って鍔迫り合いを演ずると、その様子はさながら剣と剣、刃と刃が交わって火花を散らしているようである。実際には刀以外でも戦うことの多い本作だが、剣戟であろうとそうでなかろうと、一瞬の隙を見計らって果たし合う絶妙な緊張感を見事に表現した一曲である。

サウンドトラックにあるメドレー『争覇への動悸』にはこの曲も入っています。そちらはいろんな曲を繋ぎ合わせているのですが、なかには効果音やらボイスやらも入っていて、結構やりたい放題な感じです。あわせてどうぞ。

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