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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#716 『短冊城』(佐宗綾子/NARUTO -ナルト- 激闘忍者大戦!3/GC)

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岸本斉史著の忍者バトル漫画「NARUTO」を原作とする、

エイティングがおくる3D忍者大戦格闘ゲーム・激闘忍者大戦より、

佐宗綾子作曲、3の『短冊城』。同名のステージで流れます。

里一番の忍を目指す落ちこぼれ忍者・うずまきナルトの成長と冒険を描く「NARUTO -ナルト-」のゲーム化作品として、対戦格闘に特化した激闘忍者大戦シリーズの3作目にあたる本作。原作の中忍試験編から三竦みの戦いあたりをベースに、三人一組で戦うスリーマンセルの導入や新キャラクターの大幅な増加、奥義の追加、状態変化の充実など、前作から正統にパワーアップしている。ミッションモード(いわゆるストーリーモード)の勝利条件が原作の内容に沿った形になるなど、再現性の高さも特徴で、「忍対戦の最終進化形」(ただし本作はシリーズ最終作ではない)というキャッチコピーに恥じぬ仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは佐宗綾子氏、細江慎治氏、安井洋介氏、矢野雅士氏の四名。当時、音楽制作会社スーパースィープに所属していた(安井氏と矢野氏)か現在も所属している(佐宗氏と細江氏)作曲家たちである。このうち矢野氏はサウンドディレクションおよび効果音も手がけている。前作と同じメンバーでの作曲で、過去作からの流用曲もすくなくないが、本作初出の新曲はいずれもシリーズおなじみの和風ロックや和風テクノが揃っていて、進化した忍者大戦を派手やかに彩ってくれる。サウンドトラックは未発売だが、一部の楽曲については作曲者の詳細がツイッターで明かされている。

短冊城とは火の国の大繁華街である短冊街に聳える由緒ある城だが、その外庭を舞台としたステージで流れるのがこの曲である。時間帯は夜で固定、狭めの敷地を灯篭の明かりが照らす風光明媚なステージであり、その凛々しい佇まいを象徴するかのごとく、この曲は堂々たる迫力を醸す和ロックナンバーに仕上がっている。荒々しいギターサウンドに、尺八と三味線による力強い協演が重なることで、息もつかせぬような疾走感にあふれていて、雅な夜景と予断を許さぬ激闘とを華麗に表現した一曲である。

ループのすこし前の、1分11秒あたりからのフレーズにある三味線の音色が特に好みです。ちなみにギター演奏は矢野さんだそうです。