コナミがおくる武装×美少女×アクションバトル・武装神姫より、
上倉紀行作曲、バトマスMk.2の『Battle "The Last"』。 ラスボス戦で流れます。
コナミのアクションフィギュアシリーズ・武装神姫のゲーム化作品であるバトルマスターズのアップグレード版にあたる本作。前作の物語やシステムを踏襲しつつ、新キャラや追加シナリオ、既存の神姫にも後日談が加わり、DLCも含めれば前作からほぼ倍増して総勢30体以上の神姫が参戦するようになった。武器カテゴリに粒子ブラスターが新設されたほか、パーツが多く追加されてカスタマイズの幅が順当に広まった。操作性やゲームバランスも広範にわたって見直されていて、射撃武器における手動リロード機能の搭載、レールアクションの発動方法や軌道変更など細々とした仕様の改善、武器や神姫へのアビリティの追加に伴う性能の差別化など、大小様々な調整が施されている。また、前作で目立ったロード時間の長さが多少緩和された。要素が増えた分、全体的にUIが複雑化したり作業感が強まったりしたところがあり、仕様が変わった分、アクションの使い勝手は良くも悪くも影響を受けている。総じて相変わらず大味だがボリュームが充実した意欲作に仕上がっている。
本作の音楽を担当するのはSota Fujimori(藤森崇多)氏、Maayan氏、阿部公弘氏、上倉紀行氏、工藤吉三氏。サウンドトラックでの担当分は不明だがスタッフロール上では陣内一真氏と優宜理奈氏が、スタッフロールには未記載だがサントラ上では並木学氏が参加しているようである。藤森氏はコナミ所属で、阿部氏、上倉氏、工藤氏、並木氏は当時、音楽制作会社ベイシスケイプに所属していた作曲家である。Maayan氏は本作の開発元であるピラミッドのスタッフである。このうち上倉氏、工藤氏、並木氏は前作に引き続き参加していて、残りはシリーズ初参戦である。前作で築き上げたエレガントでスピーディーなシンフォニックロックやトランス系のサウンドは本作でも健在で、キャラやステージの追加に伴って多くの新曲が書き下ろされている。サウンドトラックには主題歌も含めて収録されている。
ラスボス戦で流れるのがこの曲である。ラストバトルは三連戦でこの曲は最後を飾るものとして流れる。手始めにどこか感傷的な響きを帯びたギターとシンセの組み合わせでムードを整え、10秒で一旦静止しててから急激にボルテージを上げることで最終決戦を印象的に彩る。苛烈なギターに壮大なストリングス、神秘的な憂いを湛えたピアノやシンセが巧みに重なり合い、昂揚感とともに強い悲愴感を生み出す。35秒からはストリングスが突き刺すように短く鋭く高音を鳴らしてクライマックスらしい切迫感を漂わせ、46秒で一瞬不穏な気配を感じさせるも、そこから弦で力強く引っ張っていって1分3秒からのサビへと見事に繋げていく。募り募った思いをぶちまけるようにエレキギターが凄絶な演奏を披露し、サビが終わった直後の1分27秒に間髪入れずに聴き馴染みのあるフレーズに戻る。決戦に至るまでの道のりと心境を振り返って、これが最後なのだという確かな実感が湧いてくる一曲である。
比較的コンパクトな曲の尺のなかで綺麗にメリハリと起承転結があって素敵ですね。