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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#855 『月海の血闘』(帆足圭吾/Fate/EXTELLA LINK/PS4・PSV)

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TYPE-MOONマーベラスがおくるハイスピードサーヴァントアクション・

Fate/EXTELLAより、帆足圭吾作曲、LINKの『月海の血闘』。ボス戦で流れます。

FateシリーズのRPG作品群であるEXTRAの流れを汲むアクションゲーム・EXTELLAの続編として登場した本作。前作の戦いを終え、月の世界に平和が訪れたのも束の間、あらゆるものを隷属、同一化させる力を持つカール大帝が台頭、新たに仲間となるサーヴァント・シャルルマーニュとともに再びマスターは戦乱に身を投じていくことになる。セクター(陣地)を奪い合うゲーム性はそのままに、前作からアクションが大幅に強化され、強力な技をワンボタンで発動できるアクティブスキル、連撃で追い打ちをかけるラッシュなど、陣取り合戦を盛り上げる爽快な動作が多数追加された。メインとなるストーリーモードは控えめなボリュームだが、高難度なやり込み要素のエクストラバトルが充実していて、前作から著しく進化した仕上がりとなっている。後にスイッチやPC、スマホ向けに移植された。

本作の音楽を担当するのは岡部啓一氏、瀬尾祥太郎氏、高田龍一氏、帆足圭吾氏。いずれも岡部氏が代表を務める音楽制作会社MONACAに所属する作曲家である。前作ではTYPE-MOON所属の芳賀敬太氏とJames Harris氏が作曲していたが、本作ではMONACAFateシリーズには本作以前にEXTRA CCCのボーカル曲やアニメ版Last Encoreの劇伴を手がけた経験がある)に一任している。コーラスやストリングスをふんだんに用いた荘厳なオーケストラサウンドを中心に、重厚かつ情熱的な楽曲が各種取り揃えられている。サウンドトラックはプレミアム限定版の特典として同梱されているほか、作中にBGMギャラリーが完備されている。

敵将であるボスサーヴァントの出現とともに流れ出すのがこの曲である。イントロのクワイアで幻想的な焦燥感を滲ませ、神秘的な昂揚感に包まれるも、13秒以降は一転してそのムードを突き破るハードなエレキギターが鳴り響く。息をつく暇もなく奏でられるギターとドラムの壮絶なアンサンブルは、やがて1分10秒からのサビでクワイアと合流し、猛々しくも神々しい重厚感を漂わせる。2分過ぎに始まる間奏では、さらに激しく、即興風の速弾きギターとソプラノが相まみえることで、天井知らずの熱狂を生み出す。月の世界の想像を絶する激闘を鮮やかに表現した一曲である。

とにかく熱量が凄まじくて、イントロ明けでギターに主役を掻っ攫われたクワイアが、サビで満を持してカムバックするところは何度聴いても痺れます。