VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#398 『Moonlit Wilderness』(神前暁/鉄拳5/AC)

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ナムコがおくる3D対戦格闘アクション・鉄拳より、

神前暁作曲、5の『Moonlit Wilderness』。同名のステージで流れます。

キャラクターの四肢に連動した打撃ボタンと曲者揃いの登場人物で知られるアーケード用格闘ゲーム・鉄拳シリーズのうち、ナンバリング5作目にあたる本作。十周年の記念作として、シリーズの原点に立ち返って劇画チックの壮快感を追求していて、新キャラの参戦や旧キャラの復活参戦などにより、さらにバラエティに富んだ対戦が楽しめるようになった。本作からシリーズ初のオンラインサービスが開始し、キャラのカスタマイズをおこなったり、成績や履歴を確認したりすることも可能である。

本作の音楽を担当するのは当時ナムコに所属していた作曲家を中心とする複数のメンバーたち。元ナムコで現在に至るまでモナカの取締役を務める岡部啓一氏や、後にモナカに加わることになる神前暁氏、高田龍一氏、中村和宏氏(モナカ退社済み)なども参加している。このうち神前氏は外伝のタッグトーナメントでシリーズに初参戦して以来、前作4をはじめ、6やTT2でも引き続き作曲することになる。多数の作曲家たちが織り成す多種多様なエレクトロニックサウンドは、十周年の集大成にふさわしい派手で豪華な仕上がりとなっている。サウンドトラックはアップグレード版のDARK RESSURECTIONの追加曲とあわせて収録されている。

Moonlit Wilderness、直訳して「月明かりの荒野」と呼ばれるステージは、銀色に輝く満月に照らし出される遺跡を背景とした無限遠フィールドである。足元には無数ものススキが生い茂り、どことなく浮世離れした幻想的な雰囲気を漂わせたこの場所で流れるのがこの曲である。テクノ風のスリリングなビートに、優雅なストリングスや荘厳なコーラスを組み合わせることで、神秘的なグラフィックにぴったりな上品さと、対戦という状況にそぐう獰猛さの両方を兼ね備えている。57秒あたりのサビで高音のピアノを響かせると、月夜の激闘というシチュエーションをいっそう強くプレイヤーの脳裏に焼き付けてくれる。

アーケードの筐体で大音量で聴きたいような曲です。TT2では岡部啓一さんと帆足圭吾さん(モナカの二人)がアレンジしていますので、こちらエレキギターを大々的に取り入れたシンフォニックロック路線の『Moonlit Wilderness - D.T.O Mix -』、あわせてどうぞ。

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