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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1513 『Bedtime Puzzler』(神前暁/ことばのパズル もじぴったん大辞典/PSP)

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ナムコがおくる知的好奇心くすぐり系パズルゲーム・もじぴったんより、

神前暁作・編曲、Chizuru Miura歌唱、大辞典の『Bedtime Puzzler』。

こつこつパズルの1-11面や2-23面をはじめとする複数のステージで流れます。

文字をくっつけて言葉をつくって遊ぶもじぴったんシリーズのうち、PSP向けに登場した本作。基本的なゲーム性はそのままに、本作では10万語以上を収録して400を超えるステージが用意されている。制限時間つきで解いていくメインモードのどきどきパズルのほかに、新要素として制限時間なしでクリア条件の達成を目指すこつこつパズル、対CPUや対人戦(1台のPSPを交互に操作する手渡し形式)で言葉の陣取り合戦を楽しめる対戦ぴったんが搭載されている。前作と比べてクリア条件の種類が増えたり、新たに無限ブロックという何度でも使える文字ブロックが登場したりして、遊びの幅が順当に広がった。題名に「大辞典」と冠するだけあって、本作ではパズルを解くことで対応する辞典を入手してコレクションとして閲覧可能になる点が特徴である。辞典はテーマごとに分かれていて、虫や魚といった定番の語録から、東北や九州など地域ゆかりのもの、ギャル語や業界用語をまとめたもの、濁音縛りやマイナーな単語を集めたものまで、眺めるだけで興味深いラインナップが揃っている。また、今までに自分がつくった言葉を網羅した履歴のような辞典もある。シリーズ譲りの遊んで楽しみながら思わぬ発見を得られる醍醐味が詰まった仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは内田哲也氏、大久保博氏、神前暁氏、境亜寿香氏、中西哲一氏、高田龍一氏、遠山明孝氏、矢野義人氏、TEREN PAREN(戸部田英樹)氏。当時すでに離籍していた元所属の境氏を除き、いずれもナムコに所蔵していた作曲家である(大久保氏、中西氏、矢野氏は現在もバンダイナムコに所属している)。また、リミックス担当の外部アーティストとして中田ヤスタカ氏、ハヤシベトモノリ氏、AKIRA SUZUKI氏が参加している。本作では新曲のほかに過去作からのアレンジもいくつか用意されていて、ボーカルが加わることでフレッシュでキャッチーな息吹が感じられる。ボーカリストにはシリーズおなじみの主題歌を手がける古原奈々氏や、初参戦のChizuru Miura氏らを起用している。サウンドトラックはボーカル曲や効果音集も含めて収録されている。

こつこつパズルのレベル1「011 れいんぼー」やレベル2「023 つち」をはじめとする複数のステージで流れるのがこの曲である。アーケード版初代から存在する楽曲『ベッドタイムパズラー』のボーカルバージョンで、元々エレクトロポップ系のドリーミーな曲調だったが、アレンジに際してクリーンなギターやチル感のある英語ボーカルを取り入れている。15秒から加わるコーラスは耳心地が良く心躍る響きに満ちていて、入れ替わるようにして29秒からメインボーカルが入ると、ますます夢心地で揺蕩うような印象が強まっていく。サビ手前の1分14~16秒ではハープとウィンドチャイムのグリッサンドを奏でて一際煌びやかなフレーズを挟んだ後、ぐっと盛り上げてディスコチックなグルーヴを醸すようになる。ところどころレトロな電子音を散りばめてチップチューン風の味付けをしている点が印象深い。サビを終えた後も勢いづいたリズム感と音色の充実ぶりは衰えることなく、2分15秒頃から二番に入るときには依然と異なる賑やかさがある。前回のグリッサンドに該当する部分は2分28~30秒で大仰に電子音を鳴らすようになり、以降ピアノと電子音とコーラスをフィーチャーした変化球のようなフレーズに突入する。3分あたりで一旦元に戻るが、終盤に向けて3分44秒から合成音声風の歌声を披露するなど、最後まで見せ場が多く設けられている。アウトロではトライアングルが時計の針音のように周期的に鳴り響いて素敵な余韻を残す。癒されつつ童心をくすぐられつつ小洒落た気分に浸ることができる一曲である。

この曲を紹介してほしいというリクエストをいただきました。佳い夜更かしができそうですね。ボーカルなしの原曲もどうぞ。

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