荒木飛呂彦著の人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」を原作とする、
高野充彦作曲、『ブチャラティ』。ブチャラティ戦などで流れます。
ジョジョのゲーム化作品のうち、カプコン製の第2弾にあたる本作。イタリアを舞台に、ジョルノ・ジョバァーナらが活躍する第5部「黄金の風」の物語を追体験することになる。トゥーンレンダリングによる3Dグラフィックが特徴のアクションアドベンチャーで、ステージごとにシナリオに沿ったボイス付きのデモシーンを閲覧し、指定されたキャラを操作してスタンドバトルを勝ち抜くのが主な流れである。戦闘では機敏な動きを主体とする本体モードと、スタンドを出現させて戦うスタンドモードを切り替えることができ、相手のスタンド能力の弱点を見破って隙を突く形で攻略していく。原作の雰囲気は概ね踏襲しているが、キャラやエピソードなど削られている部分もすくなくない。漫画ならではの表現をゲームでも追求した独特な作風が楽しめる意欲作に仕上がっている。
本作の音楽を担当するのは高野充彦氏。カプコンに所属する作曲家である。本作では華やかだが翳もあるイタリアらしさを表現するにあたって、弦楽器やチェンバロ、アコーディオンなどを駆使したディープでスタイリッシュな楽曲群が揃っている。複数の楽曲で共通したフレーズを用いるなど、全体的に統一感のあるサウンドを堪能できる。また、一部前作（カプコン製のジョジョゲーの第1弾で、アーケード用の格闘ゲーム）からのアレンジも存在する。サウンドトラックは効果音集やボイス集なども含めて収録されている。
ブローノ・ブチャラティのテーマとして、序盤のブチャラティ戦をはじめとするいくつかのシーンで流れるのがこの曲である。ブチャラティは冷静さと人望の厚さ、ギャングとしての強かさを兼ね備えた青年で、主人公のジョルノが入団するチームのリーダーである。その彼のテーマ曲を、チェロとアコーディオンの重厚で洗練されたアンサンブルで小粋に彩る。中低音の音域で推移する曲調が落ち着いた渋味を漂わせ、音の隅々から情熱が染み出る印象を与える。1分手前でマラカスが途絶えると、しばらく情熱的な勢いは息を潜めるが、1分10秒から徐々に盛り返して再度勢いづく。うまく緩急を利かせることで濃厚な格好良さを滲ませる一曲である。
この曲を紹介してほしいというリクエストをいただきました。ポップな感じになったアレンジ版もありますね。さりげなくアリーヴェデルチとつぶやいているあたりが素敵です。『ブチャラティ（アレンジバージョン）』、あわせてどうぞ。
