コナミがおくるダンスゲーム・DANCERUSH STARDOMより、
S-C-U & SYUNN(佐伯茂治・佐藤俊介)作曲、『toy boxer (DANCERUSH Style)』。
「いちかのBEMANI投票選抜戦2019」で配信された収録曲の一つ。
BEMANIシリーズのうち、DDRの流れを汲む新作のダンスゲームとして登場した本作。専用のフットセンサー上で、楽曲に応じて足をスライドさせたりステップを踏んだりして、シャッフルダンスの要領でクリアを目指すことになる。ライフ制で最後まで残ればクリアとなる仕組みで、相応のテクニックを要する上級者向けの譜面以外は、全体的にミスに寛容で完走しやすいバランスに調整されている。ダンス未経験でも楽しめるよう作中に手厚いレッスンステージが用意されているほか、判定が広めに確保されていてある程度動きに自由が利くため、ダンス好きなら自分なりにアレンジしたりアドリブを入れたりする創作的なプレイングが可能である。通常のゲームモードに加え、筐体に備え付けられたカメラを用いて踊っている様子を撮影し、動画をSNSに投稿できるモードも収録されていて、好みに応じて顔を隠したりエフェクトを付けて加工したりすることができる。独自の遊び応えとカスタマイズ性がある仕上がりとなっている。
本作では版権や他機種からの移植・リミックスなども含めて現時点までに300曲以上の楽曲が収録されている。傾向としては、作中に標準搭載で言語設定(日・英・繁・簡・韓)が存在することに関連して、他のBEMANIシリーズと比べるとグローバルを意識した選曲が多い。現在は取り除かれたが、以前はオランダのEDMレーベル・SPINNIN' RECORDSや国内のFARM RECORDSと提携したライセンス曲が相当数収録されていた。本作オリジナルの曲に関しては、おなじみ内製のBEMANI Sound TeamよりDJ TOTTO(田川義浩氏)、Sota F.(藤森崇多)氏、SYUNN(佐藤俊介)氏、S-C-U(佐伯茂治)氏ら多数が参加している。また、外部アーティストでいうと、かめりあ氏、Hommarju氏、lapix氏などのシリーズ経験者、Moe Shop氏やRelect氏らをはじめとする初参戦の顔ぶれも揃っている。サウンドトラックは現時点でvol.2まで発売されている。
2019年9月に開催されたBEMANIシリーズ間の連動イベント「いちかのBEMANI投票選抜戦2019」で配信された収録曲のうちの一つがこの曲である。原曲はjubeat festo枠で登場した『toy boxer』で、本作用にハウス風のアレンジが加えられている。原曲はテンポ早めでキュートな音色が矢継ぎ早に押し寄せるアップテンポさが印象的だったが、移植に際して踊りやすいマイルドな速さに調整され、出だしからハンドクラップを挿入してノリやすいムードを整えている。テンポが落ちた分、原曲から繰り返し部分が削られているほか、よりビートが際立つようになるなど、全体的に曲の展開や響きが再構成されている。勢いが緩やかになったとはいえ、30秒手前からシンセを派手に響かせ、36秒から高速でリズムを刻んで盛り上げていく、という一連の流れは変わらず鮮やかな疾走感を帯びていて、42秒でカウベルと掛け声を合図にサビに突入するさまはとても気持ち良い。楽しく踊ってポジティブな気分にさせてくれる一曲である。
ダンスラ以外にも機種によってスタイル違いがあります。原曲、ピアノ重視な『toy boxer (NOSTALGIA Style)』、ギター重視な『toy boxer (GITADORA Style)』(編曲はYvya氏による)、三つあわせてどうぞ。