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#1655 『バトル1』(植松伸夫・裏谷玲央/ファイナルファンタジーV ピクセルリマスター/PC・iOS・And)

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スクエニがおくるRPGファイナルファンタジーより、

植松伸夫作曲、裏谷玲央編曲、ピクセルリマスター版5の『バトル1』。

通常戦闘で流れます。

FFシリーズの2D時代6作品を忠実なドット絵でリマスターしたピクセルリマスターシリーズの5作目にあたる本作。4つのクリスタルを分かつ世界を舞台に、風の異常を察知したタイクーン王の失踪を端として各地で異変が迫るなか、チョコボ乗りの青年・バッツは仲間とともに世界を覆す大冒険に出ることになる。これまでのピクセルリマスターシリーズ同様、モダンなUI、中断セーブ、オート倍速戦闘、ダッシュでサクサク移動など、様々な現代的な快適機能が盛り込まれている。基本的な内容やジョブ数、ゲームバランスは原作のスーファミ版をほぼ踏襲している一方で、戦闘システムのアクティブタイムバトルに関しては6以降の順番スキップあり・ターンが回った際のゲージ停止なしに仕様変更されている。バグやちぐはぐな演出など大小の粗はあるが、現行の水準で原作を再訪できる仕上がりとなっている。後に要素を追加してPS4、スイッチ、Xbox Series X|Sに移植された。

本作の音楽を担当するのは足立知謙氏、裏谷玲央氏、片岡真悟氏、小見山優子氏、椎葉大翼氏、高木了慧氏、常本正也氏、野田博郷氏、宮永英典氏、村井歩氏。足立氏は音楽会社アイボリーミュージックの代表、常本氏は音楽スタジオ・JT Studio Akihabaraのサウンドクリエイターで、裏谷氏、片岡氏、小見山氏、椎葉氏、高木氏はフリーランスの作曲家である。野田氏、宮永氏、村井氏はスクエニ所属で、宮永氏がミュージックディレクターを務めている。本作は開発元としてトーセが関わっているため、片岡氏、高木氏、常本氏といった元トーセのメンバーがみられるほか、裏谷氏と小見山氏は元カプコン、椎葉氏は元任天堂と各方面から作編曲家たちが集っている。植松伸夫氏が作曲した原曲を上品な生演奏オーケストラで再構築していて、特にフルートやリコーダー、トランペットなどの活き活きとした管楽器が印象的に用いられている。サウンドトラックは個別には発売されていないが、作中にサウンドプレイヤー機能が搭載されている。

通常戦闘で流れるのがこの曲である。にわかにつんざくようなイントロに続いて、ざわざわと震えるストリングスの傍らでじわじわとエレキギターが勢いを蓄えていく。4秒にはトランペットの朗々とした主旋律が入り、ストリングスが優雅で勇壮な演奏をし出すと、聴いているだけでおのずと闘志が湧き上がるような気持ち良さを感じさせる。原曲をそのまま生楽器でなぞったような再現具合だが、16秒からの高音が映えるフレーズなどでは艶と迫力が強く出ていて、低音との絡みや楽器間のバランスが釣り合っている。目立った違いは46~52秒のストリングスパートで、切れ目なく高速で流麗なアルペジオを披露したあと50秒あたりで発散することで、原曲とは一味異なる生特有の表現力を生み出している。新鮮さと馴染みやすさ、繰り返し聴く通常戦闘曲らしいエネルギーがある一曲である。

この曲を紹介してほしいというリクエストをいただきました。冒頭のバリバリみたいなやつをオルガンとかじゃなくてストリングスにしているのが結構象徴的かもしれませんね。原曲もあわせてどうぞ。

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